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「…ん……」

「あ、起きました?」



頭がクラクラする。やけに寒いし、体が動かない。意識がはっきりしないのに、言葉だけはよく聞こえた。

ここはどこ?何が起こったの?私、確か公園でハンカチを拾って、それで。



「……っ!」

「おはようございます、葵さん」

「…リカ、さん……っ」



目の前に広がる美しい顔。その顔が覗き込む。少しずつ拓けた視界で当たりを見渡せば、どこか倉庫のようなところだった。手を後ろで縛られているし、薬のせいか体に力は入らない。意識もはっきりしなくて、緊張からか息も苦しい。

そんな私をリカさんは楽しそうに見た。



「…有剣と、別れたんですって?」

「……っ」

「それなのに、こんな酷いことしてごめんなさいねえ?」

「な、…んで、こんな……」

「……」

「リカ、さ……」


「有剣が、あなたのこと忘れられないみたいだから。だから忘れさせてあげたいなって思って」



どういうこと、そう言いたいのに、うまく声が出ない。ただこわくて、寒くて、苦しい。上手く働かない思考で、なんとか解釈をしようとしても、それすらうまくいかなかった。



「薬、辛いでしょう?」

「…は、ぁ……っ」

「少し持続性が長いだけで、依存性とかないので安心してくださいね」

「…ど、う……して?」

「…私、」

「…リカ、さ」

「有剣と葵さんが別れたら、有剣は私のモノになると思ったの。だけど、そうじゃなかった」

「……」

「葵とは別れたからもう手出すなって。別れてもあなたのこと、守ろうとしてた」

「…っえ……?」

「それがね、気に食わないの。なんで私じゃないの?有剣の気持ちがいつまで経ってもあなたから離れないの」

「……そ、んな」

「……だからね?」

「…リカさ、ん?」


「有剣のすきな無垢な葵さんなんて、消えちゃえばいい」



ドクンドクン、脈が打つ。このままでは危険だと、本能が告げる。早く逃げなきゃ、それなのに、体が動かない。涙が流れそうになるのは、ぐっと堪えた。



「…さよなら、葵さん」



リカさんの後ろから現れた数人の男。何をされるかなんて、すぐに分かった。



「この女、好きにしていいよ」

「……っや、」



腕を掴まれる、そのまま引き摺られそうになったとき。遠くから焦る声がした。



「……っリカ、鳳仙の奴らが!!」



リカさんに指示された、男達はその場を去っていく。それにほっとして、そのまま意識を手放した。

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aoi(プロフ) - みさももさん» そうなのですね!!うれしいです*甘ったるい中に、少しどろっとしたものを持っているような、そんな感じで描いていこうと思ってます!更新がんばります* (2019年11月20日 16時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
みさもも(プロフ) - 私の中の小田島くんのイメージにぴったりなんです!あまあまだけどやる時はやる男と言うか、、、だから大好きです!これからも愛読させていただきます! (2019年11月19日 23時) (レス) id: 9abd401940 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - みさももさん» こんばんは、コメントありがとうございます*すっごくうれしいです!私の描く小田島くんは、少し優しすぎると言いますか、女々しいかな、なんて思いながら描いていたので、励みになりました。これからよろしくお願いします! (2019年11月18日 21時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
みさもも(プロフ) - 初めてコメントします!私的に小田島くん小説で一番大好きです!更新ファイトです! (2019年11月18日 21時) (レス) id: 9abd401940 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - ぱんださん» コメントありがとうございます。鳳仙の絆すばらしいですよね…!更新お待ちいただけるとうれしいです* (2019年11月18日 17時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aoi | 作成日時:2019年11月12日 22時

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