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負の連鎖はどんどん拡がっていく。それを止める術は分かっていた。でもそれを使わないでほしい。


鳳仙の奴らが次々と襲われているらしい。そんな噂はあっという間に広まった。唯ちゃんの次は、鳳仙の学生たち。それは小田島くんの、みんなの仲間。

襲う者たちが口にするのは、元凶は葵、という言葉だと聞かされ、心が強く鳴る。ドクンドクンと脈を打ち、嫌な汗が流れる。


ーーー私が、みんなを、傷付けている?


そう思わず、口から出してしまった言葉を、すぐに否定したのは小田島くんだった。葵のせいじゃねえよォ、俺のせいだ。そう、小田島くんは苦い表情で言った。

ねえ、私、小田島くんも苦しめてる。

胸が潰れてしまいそうで、仕方ない。私が小田島くんを諦めれば、もうリカさんは誰も傷付けようとしないの?それで満足なの?その苛立ちや悲しみは、皆の心にも浸透していた。



佐「リカのせいで、関係の無い仲間が傷付くのは耐えられねえ」



そう、佐智雄くんは言った。聞くつもりはなかった言葉を、たまたま聞いてしまった。彼らにバレないよう、姿を隠して。ただ、言葉の続きだけは気になってしまって、聞き耳を立ててしまう。

佐智雄くんの言葉は怒りを含んでいた。そして少なからず、傷付けられた人たちからの不満も上がっていた。当たり前だ。理不尽に襲われ、それが私のせいだと言うのだから、怒るのも当然だ。



「…やっぱり、住む世界が違うのかなあ……」



小さく吐き捨てた言葉に、思わず笑ってしまう。そして、涙が止まらなくなった。

私はただ、小田島くんが好きなだけなの。隣で笑って、ごく当たり前を過ごしたいだけなの。そして何より、小田島くんに笑っていてほしい。喧嘩ばかりする小田島くんを少し叱って、仕方ないなあ、って笑う、そんな日常がほしいだけなのに。

ーーーそれだけなのに。



小「巻き込んでわりぃ…」

「……っ」



小田島くんは申し訳なさそうに頭を下げていた。



「…だめ、だなあ……私じゃ、だめなんだなあ……っ」



ああ、涙が。ぽつりぽつり、雨が降り出す。この醜い心ごと、洗い流してくれればいいのに。

気付けば、雨の中を飛び出していた。走って、走って、走って。どこに自分がいるのかも、何ももう分からない。

リカさんは言っていた、壊したいって。これで満足でしょう?だって、私、もう壊れそうなくらいで。



「…葵……?」



ふと名前を呼ばれて顔をあげた。

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aoi(プロフ) - みさももさん» そうなのですね!!うれしいです*甘ったるい中に、少しどろっとしたものを持っているような、そんな感じで描いていこうと思ってます!更新がんばります* (2019年11月20日 16時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
みさもも(プロフ) - 私の中の小田島くんのイメージにぴったりなんです!あまあまだけどやる時はやる男と言うか、、、だから大好きです!これからも愛読させていただきます! (2019年11月19日 23時) (レス) id: 9abd401940 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - みさももさん» こんばんは、コメントありがとうございます*すっごくうれしいです!私の描く小田島くんは、少し優しすぎると言いますか、女々しいかな、なんて思いながら描いていたので、励みになりました。これからよろしくお願いします! (2019年11月18日 21時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
みさもも(プロフ) - 初めてコメントします!私的に小田島くん小説で一番大好きです!更新ファイトです! (2019年11月18日 21時) (レス) id: 9abd401940 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - ぱんださん» コメントありがとうございます。鳳仙の絆すばらしいですよね…!更新お待ちいただけるとうれしいです* (2019年11月18日 17時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aoi | 作成日時:2019年11月12日 22時

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