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" 楽しみにしていてくださいね "




そう妖艶に笑ってリカさんはどこかへ去っていった。彼女の姿が見えなくなり、思わずその場に座り込んでしまう。

怖くて怖くて、仕方がなかった。人を傷付けることをなんとも感じないような、むしろゲームをしているような感覚で、彼女は笑っていた。



「…大丈夫、がんばった、私」



泣いてしまいそう、だけど。ここで涙を流したら、戦う前から負けを認める気がして、ぐっと堪える。

その瞬間、ポケットの携帯が震えた。



「あ、もっしもーし?葵〜?」

「…っ」

「…葵?」



陽気な声がすぐに、心配そうな声に変わる。だめ、感ずいたりしないで。そんな願いはかないっこないのも、分かっていた。

でもせめて。



「葵、今どこいんの?仕事だよな?」

「うん、仕事中だよ」

「嘘おっしゃい。…ガヤが聞こえっけどお」

「え、あ…えっと、」

「外出てんの?」

「…うん。休憩中です」

「俺に嘘が付けるとお思いか〜」

「そうでした、思いません」

「それでよぉし!…んで」

「ん?」


「…何があった?」


「え?」



確信を得ているような聞き方。リカさんと、と聞いてこないのは、私を試しているのだろうか。

…言えないよ。私、小田島くんに嫌な思いをさせたくない。

そう思っていた。



「…俺さぁ」

「うん、」

「人の嘘とか隠し事とかすーぐ分かっちゃうし、だいたいの人は俺に嘘つくなんてぜぇーってえ無理だと思うわけ〜」

「…うん」

「でもさあ、俺、葵の気持ちは分かんねえんだよ」

「え?」

「葵ちゃんには通じねえの、この特技。今何考えてんのかなとか、色々考えちゃう」

「小田島、くん」

「…余裕がないんです、僕。葵の前では」

「…っ、」



" だから、葵の口から聞かせてほしい "



うそだ、絶対にうそ。本当は分かってる。リカさんに会ったことも、何か言われたことも、それで私が動揺したことも。絶対気付いてる。それなのに。

小田島くんの優しさがそれを許さない。真実だけじゃなくて、私の気持ちごとぶつけてほしいって、きっと彼はそう言いたいんだ。

嫌だった、怖かった、泣きたかった、助けてほしかった、そう言っていいと言われてる気がした。



「…小田島くん」

「…ん?」

「私ね、」

「うん」

「…小田島くんがすきだよ」



" 何もない、大丈夫だよ。"



小田島くんを苦しめた人の名前を、私は貴方に聞かせたくないんだ。

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aoi(プロフ) - みさももさん» そうなのですね!!うれしいです*甘ったるい中に、少しどろっとしたものを持っているような、そんな感じで描いていこうと思ってます!更新がんばります* (2019年11月20日 16時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
みさもも(プロフ) - 私の中の小田島くんのイメージにぴったりなんです!あまあまだけどやる時はやる男と言うか、、、だから大好きです!これからも愛読させていただきます! (2019年11月19日 23時) (レス) id: 9abd401940 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - みさももさん» こんばんは、コメントありがとうございます*すっごくうれしいです!私の描く小田島くんは、少し優しすぎると言いますか、女々しいかな、なんて思いながら描いていたので、励みになりました。これからよろしくお願いします! (2019年11月18日 21時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
みさもも(プロフ) - 初めてコメントします!私的に小田島くん小説で一番大好きです!更新ファイトです! (2019年11月18日 21時) (レス) id: 9abd401940 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - ぱんださん» コメントありがとうございます。鳳仙の絆すばらしいですよね…!更新お待ちいただけるとうれしいです* (2019年11月18日 17時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aoi | 作成日時:2019年11月12日 22時

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