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さっきまで寄り添っていたしあわせの、裏側に連れてこられた気分だ。



「え…?沢村くんが…?」



小田島くんと私が鬼邪高校に襲われたと同時に、片方でも事件が起こっていたらしい。そして、それは最悪な結末を迎えてしまった。

クッションを抱えて座る小田島くんが、小さく見えた。沢村くんは、今現在も、意識不明の重体。その言葉を聞いて、思わずぞっとしてしまう。



「…小田島くん、大丈夫?」

「え?…あぁ」

「…鬼邪高校、に行くの?」

「……ん。そーだねぇ」

「……」

「…このままじゃ、終われねえよ」

「うん…」

「だいじょーぶ。無茶しねえから〜」

「…ほんとかなあ?」



思わず零れた本音を、小田島くんは軽く遇いながらも微笑む。心配すんな、と言いたいのだろう、だけどその目の奥には小さな炎が灯っていた。

許せないね、許せないよね。あれだけ団結して、助け合って、信頼していた仲間だ。そんな仲間が、完膚なきまでに叩きのめされたら、冷静でなんていられない。

だけど。喧嘩になんていかないで。怪我なんてしないで。もし小田島くんが重体になったら。そんな小心者の胸の内を、鋭い彼はすぐに察する。



「終わったら真っ先に帰ってくっから、」

「…うん」

「ちゃんとチュウもしてあげるから〜」

「なっ…そ、そんなこと」

「ええ。いらないのお?かなしーい」

「そういう、訳じゃないよ…」

「素直じゃないねえ」

「…」


「…今の俺には葵がいる。葵が悲しむようなことにはさせねえから」



守るもんがあるっていいねえ、なんて涼しい顔をして言う。ずるい、そんなの。行かないで、とか、そんなわがまま言えなくなってしまうじゃない。

葵と呼ぶようになった唇は、すでに強い意志で固められていた。


「…負けないで」

「あ?」

「沢村くんの分も、がんばって…!」

「…葵」

「……ほんとはいやだけど。行かないでほしい、けど」

「…」

「それでも、負けないで」

「むーじゅーん」

「だ、だって…!上手く言えなくて」

「うん、ありがと」

「…っ」


「いってくらあ〜」



でも今日は帰るのめんどくしゃいから葵んとこ泊まっちゃお〜、なんて呑気に言うひと。知ってるよ、本当は帰る気なんてなくて、ちゃっかりお泊まりセット持ってきてたでしょ。

小さなベッドにふたり。小田島くんに抱きしめられる。その美しい顔が目の前にあって、眠るなんてできなかった。

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aoi(プロフ) - みさももさん» そうなのですね!!うれしいです*甘ったるい中に、少しどろっとしたものを持っているような、そんな感じで描いていこうと思ってます!更新がんばります* (2019年11月20日 16時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
みさもも(プロフ) - 私の中の小田島くんのイメージにぴったりなんです!あまあまだけどやる時はやる男と言うか、、、だから大好きです!これからも愛読させていただきます! (2019年11月19日 23時) (レス) id: 9abd401940 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - みさももさん» こんばんは、コメントありがとうございます*すっごくうれしいです!私の描く小田島くんは、少し優しすぎると言いますか、女々しいかな、なんて思いながら描いていたので、励みになりました。これからよろしくお願いします! (2019年11月18日 21時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)
みさもも(プロフ) - 初めてコメントします!私的に小田島くん小説で一番大好きです!更新ファイトです! (2019年11月18日 21時) (レス) id: 9abd401940 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - ぱんださん» コメントありがとうございます。鳳仙の絆すばらしいですよね…!更新お待ちいただけるとうれしいです* (2019年11月18日 17時) (レス) id: fdd157f3df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aoi | 作成日時:2019年11月12日 22時

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