皆んなの約束 後編 ページ41
「「先生？！」」
皆んなの方を見ている私の耳に
突如とどいたその愛しい声達。
私は目を見開いて、振り向く。
そこには、二人の青年がいた。
背が高くなって、
顔つきもあの頃に見た
子供っぽさがなくなっていた。
ちゃんと彼らの姿形が
私自身のこの目で見れる。
「サイ…シン…」
「先生っ！」
ギュッと抱擁するかのように、
サイは私に抱きつく。
さらさらの黒髪を撫でて、
私自身も抱擁を返し、再会を心から喜んだ。
しかし、少し離れた所でシンは、
黙って私達を見ていた。
「シン？どうしたんだ？
ほら、お前もこっちに来い。」
私が彼にそういうと、
シンは急に私に向けて頭を深々と下げた。
「ごめんなさい、先生…。」
「シン？何をしてるんだ。
謝らなくていいんだぞ？」
そう言っても彼は頭を下げながら、
首を横に振る。
「シン？」
私はそんな事、お前にさせたくはないんだ。
「先生、ごめんなさい！
俺が、俺が…あの時、
先生を刺していなかったら…
先生はきっと今も生きて、」
私は彼の元に行くと、
そっと頬を包んで顔を上げさせる。
「いいんだ、シン…お前のせいじゃない。
元から長くは
生きられなかったからな…私は。
今、こうして
大切なお前らと再会できている。
私はそれだけで、嬉しいんだ。
こっちに来てはくれないのか？」
ボロボロと彼は涙を流して、
震える手で私に抱きつくシン。
「先生っ…」
嗚咽を堪えながら泣く彼とそしてサイを
両手こそないが私は自分の出来る精一杯で抱きしめる。
そんな時に、一人の声が響いた。
「Aは良い弟子達を持った様で、
俺は嬉しいぞ！」
そう言ってガハハと豪快に笑う柱間さん。
「お、お父さん…
ごめんな、A。」
みんな、この状況を理解しており、
入り込む事はなかったのだが…
柱間さんがそんな事考える訳がない。
「あの時は、まだまだ幼かったAが、
もう既に師の顔持ちをしているんぞ。」
「そうですか？」
師の顔持ちか…自分ではわからないな。
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おぼろん(プロフ) - 夜更かしさん» ありがとうございます！とてもモチベーション上がります！これからも更新頑張りますね！ (2020年9月30日 16時) (
レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
夜更かし - 続編おめでとうございます！！ (2020年9月30日 13時) (レス) id: 103c361fd1 (このIDを非表示/違反報告)
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