現実の中の夢 前編 ページ36
「本当に、お前ら… なのか？
穢土転生…か？
でもそれだったら、解術されたんじゃ…
どうして…」
あまりの驚きから
私は早口で二人の青年に捲し立てる。
彼らの黒く塗りつぶされた白目から、
穢土転生である事は一目瞭然だ。
「本当に、」
涙から霞むその視界を必死に擦って、
二人の姿を私はみようとする。
アラタがそんな私の手をつかんで止める。
「お前、もっと
その目を大切にしろ。」
「そうだよ、A。
せっかく綺麗な目なんだから。」
「ふっ、だがあの時、
お前が俺の目の前で
片方の眼球を飲み込んだのは
流石にヒヤッとはしたが…」
「え？！目を飲み込んだ？
だから、片方ないのっ？
それ本当か？アラタ？！」
障間がアラタの肩を掴んで揺さぶる。
「あ、あぁ…そうだが。
お前も少し落ち着け、障間。」
「あ！悪い…でも、本当なのか？！」
そんなやりとりをしながら
二人は優しい眼差しで私を見る。
「本当に…アラタと障間だ…」
誰かが彼らの姿に変化している訳じゃない、
正真正銘、彼らは死んだアラタ達なのだ。
それに気づいた瞬間、
ブワッと流れ出す涙と嗚咽。
「会いたかった…私。ずっと、二人に…」
「あぁ、知っている。」
「俺達も、君に会いたかった。」
落ち着くまで背中をポンポンと
二人で撫でてくれる彼ら。
「落ち着いたか？A。」
アラタに心配するかのような声で聞かれて、
私は掠れた声で頷く。
「あぁ、大丈夫だ、ごめんな…」
「謝るな。お前らしくない…」
「うん、ごめん…。
あ！
ごめんって言っちゃった、
本当にごめん…。あ。」
彼らに会うとどうしてか、
謝りモードに入ってしまう。
やはり彼らに対する
罪悪感が未だに残っているのだろうか？
特にアラタが死んだのは、
殆ど私のエゴのせいと言っても過言ではないのだから…
そんな事を思ってしまい、
私の表情はどんどん暗くなる。
私を見て障間とアラタは二人
顔を見合わせた後
堰が切れたかのように笑い始めた。
「お前、本当に大丈夫か？
少し見ない間に
だいぶ頭の方が
やられたのかもしれないな。」
「アハハハハ！
俺も同感だよ…アラタ…」
本気で心配しているのか
ただただ私を二人がかりで
貶しにかかっているのか…
でも彼らのその笑い声が
私の心を明るく照らす。
「ありがとな…お前ら！」
「あ！今の、そう、その顔！
僕が一番好きな顔だよ！」
「あぁ、お前は、その顔が一番よく似合う。」
赤く頬を染める私を
二人も笑顔で見つめていた。
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おぼろん(プロフ) - 夜更かしさん» ありがとうございます！とてもモチベーション上がります！これからも更新頑張りますね！ (2020年9月30日 16時) (
レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
夜更かし - 続編おめでとうございます！！ (2020年9月30日 13時) (レス) id: 103c361fd1 (このIDを非表示/違反報告)
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