私を縛る鎖 後編 ページ21
「Aっ！」
突然、聞こえたその声。
そして、その人物は私の指を掴み、
無理矢理、それを止める。
「はぁ、はぁ…何すん、だよ…」
視線を上に向けて、その人物を見る。
穢土転生体特有のひび割れた肌、
そして黒く染まった白目。
「イタ、チ…」
「A、お前は、
穢土転生体ではないようだな…
しかし、この体の状態で…
生きているのか？」
死んでいる筈なのに、
痛みを感じている私。
だが、体中に亀裂が
入っている今の私が生きている訳がない。
未だに、煙を上げて燻っている
私の肌にそっとイタチは触れる。
「封印系の術か…」
「あぁ…火遁なら、
水遁を…と思った、んだが…」
イタチは戦闘体制のカブトの方を見る。
「あと少し我慢してくれ。
カブトを倒した後、すぐに解いてやる。」
そう言った彼は、
私を軽々と抱えると、
瞬心でカブトから離れた場所へと、
移動させてくれた。
「此処なら、戦闘があっても
まだ安全だろう。
いや、こっちの方には
被害が来ないように、動く。」
私の体を壁にもたれかかる様な
体勢に寝かせる彼。
何も言わずとも、
こうして察してくれる辺り、
紳士な所がある奴だ。
「すまない…イタチ。」
痛みは和らぎ、
少し、声音が安定してきた。
「いや、かまわない。」
そう私に答えた彼は、
カブトがいる場所に戻って行った。
「追いついたぞ、こんな所で一体…」
突如、響いたもう一人の声。
サスケだ。
きっと、イタチを追ってきたのだろう。
彼らの様子からして、
随分と隔たりがあるように感じた。
ボソリと私は、つい呟く。
「まだ、仲直りしてないのか…
いつまで、兄弟喧嘩してるんだよ。」
少し話せば、
わかるかもしれないものを、
未だにイタチは話せずにいる。
まぁ、彼の事だ、
何かしらの理由があってなのだろうが…
「…。」
私の声はどうやらイタチの耳に
届いていたようだ。
少し離れた場所から
私の方に無言で視線を送ってきた。
ハイハイ…何も言いませんよ。
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おぼろん(プロフ) - 夜更かしさん» ありがとうございます！とてもモチベーション上がります！これからも更新頑張りますね！ (2020年9月30日 16時) (
レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
夜更かし - 続編おめでとうございます！！ (2020年9月30日 13時) (レス) id: 103c361fd1 (このIDを非表示/違反報告)
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