襲撃 前編 ページ7
「晦冥殿…」
「…、」
「晦冥殿？晦冥殿？？」
「…！あ、あぁ…すまない。」
何度か呼ばれてやっと気づいた私。
どうしてかボーッとする事が
この頃、多くなった。
毎日のように本を読み漁り、
山積みの仕事と葛藤し、
そして合間合間に修行も行いなので
仕方がないのかもしれないが､
どうしてもあの夢が気になってしまうのだ…
何かしていないと悶々と考えてしまう。
あぁ、でも
仕事だと言うのに
このままではいけないな。
「少し気が散ってしまっていた…
えぇと、何を話したかな？」
横にいる運搬班の総隊長が
歯にかみながら笑う。
「ハハハ、」
最初の頃は、
この顔も私を見るなり恐怖で
歪んでいたと言うのに。
今では彼もこんな顔が出来、
そしてまるで息子に話しかけるような
口調で私に喋ってくれる。
「いつもの晦冥殿らしくもない。」
「すまない…」
「いや、構わないさ。
しかし、晦冥殿がその調子なのも
いつものカエデ殿がおられないからかな？」
「…いや、そう言う訳じゃ、」
荷物の内容物を確認しながら
私は彼に答える。
とっても忙しいこの頃
カエデには他の仕事の管理に
回って貰わねばならず、
私も私でこうして仕事に追われている。
「カエデ殿が心配されるのも
わかる気がする。
しかしこうして少し抜けた所があるのも
晦冥殿を慕う理由だが…」
「その言い方はないだろ…総長。」
まるで子供扱いじゃないか、
と私が愚痴ると。
「晦冥様は私にとって
まだまだ子供ですな。」
そう返って来た。解せぬ。
「大人になどならないで欲しいものだ。
純粋なままの晦冥殿が良い。」
「…ん？純粋？私が？」
「何を疑っておられる、
私は晦冥殿ほど純粋な方は見たことがない！」
「お、おぅ…」
つい彼の勢いに負ける。
(そうは…思わないけどなぁ？)
伊達に何年も晦冥として
闇で生き続けていない。
だからこそ今まで
胸糞な場面だって見てきたし…
血なんて日常茶飯事になってしまった。
(昔なんて…初めて死体見た時、
ゲロ吐いてたし…
あぁ、確かマダラ君が
背中さすってくれたっけ…)
ふとあの頃を思い出した。
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おぼろん(プロフ) - MAREさん» MAREさん、コメントありがとうございます！遂に…ですね！かなーりマニアックな所まで足を突っ込んでしまわないか心配ですが…こんなに沢山の設定がごちゃ混ぜになっているお話について来てくださり本当に感謝しかないです！これからも期待に沿えるよう頑張ります！ (2021年7月25日 23時) (
レス) id: cc1232a354 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 続編おめでとうございます！遂に大筒木の一族関連の事が出てくるのか、、。楽しみです！応援しております (2021年7月25日 21時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おぼろん | 作成日時：2021年7月24日 19時
