契印の原点 中編 ページ23
「…、」
パシャリと水飛沫を立てて
私は久しぶりの湯船に浸かる。
「…ふぅ。」
いけない、
日本人の性が
ついつい出てしまった。
「…。」
上半身をもたれかからせながら
ふと桶の中に入った水で
自分の姿をマジマジと見てみる。
「大筒木…カイメイ…」
そこに写る自分は
まるで彼そのものを見ているようだった。
「…前だったら、
これも普通にかっこいいとか
思ってんだろうなぁ…あの私のことだし。」
額に生えてる角なんて
あの夢に見た彼のモノとそっくりだ。
そのとき、パッと一瞬、
自分を写す水面に赤い光が写った。
「っ、」
ふと、
あの自暴自棄になっていた頃の
感覚が蘇り、
私は急いで両目を覆い隠す。
自分の万華鏡が反射しただけだというのに
ここまで大袈裟な反応をしてしまう要因は…
「この目を使って多くの人を殺した」
…というその罪悪感にこそ
きっと存在していた。
血液一滴すら残らず、
地面が抉れたあの光景が脳裏をよぎる。
(A、
あれはお前がやったのだから
目を背けてはいけない…
あれがお前だ。)
私の中の声がまるで木霊のように響く。
「あぁ、そんなの…
わかってる…わかってるって。」
そんな事
とうの前に理解している。
あの時、私は無意識のうちに
初めて「スサノオ」を使った。
使えない筈はなかった、
私の目は万華鏡写輪眼だ。
だけども私はその力を
自分の感情のままに、
嫌悪感を感じるもの全てを破壊し
人を殺し尽くした…
ズンと感じる自分の罪の重さに
潰れてしまいそうだ。
戦争で見た殺し合いなんてもの
私も間接的に関わっていたからと
感じていた罪悪感など比にならない。
人を直接的に殺すなんて
今まで一度もしなかった私には
到底、気持ちが追いつかないのだ。
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おぼろん(プロフ) - MAREさん» MAREさん、コメントありがとうございます！遂に…ですね！かなーりマニアックな所まで足を突っ込んでしまわないか心配ですが…こんなに沢山の設定がごちゃ混ぜになっているお話について来てくださり本当に感謝しかないです！これからも期待に沿えるよう頑張ります！ (2021年7月25日 23時) (
レス) id: cc1232a354 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 続編おめでとうございます！遂に大筒木の一族関連の事が出てくるのか、、。楽しみです！応援しております (2021年7月25日 21時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おぼろん | 作成日時：2021年7月24日 19時
