検索窓
今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:26,567 hit

契印の繋がり 前編 ページ29

「…A様。」「晦冥様?」

心配そうに覗き込んでくるカエデとテンリ。

「…うん、
大丈夫だよ、なんともない。

あ、それよりも
やっぱり片手だけじゃ色々と不便だから
何か技師とかに頼みたいな。」

「…はい、私もそう考えていた所です。

テンリ、手配は私がしておきます。
確か、南西にかなり腕の良い技師が
集っている村があるはずです。

その場所へ向かって転移の準備ができ次第
報告をお願い出来ますか?
彼らには話は私がつけに行くので。」

「はい…
では俺はこれで失礼致します。」

早速、彼は出発するつもりなのだろう。

「テンリ…」

そうだ、
この青年も私が「あれ」との因縁に
巻き込んでしまった一人なのだ。

彼には行く当てがないからと、
後は彼自身が持つ術を利用したいが為に
私は…

「ごめん…色々と迷惑をかけるね。
その契印を…つけて縛ってしまった事も、」

「お言葉ですが!!晦冥様!!」

私の言葉を遮って
彼はギュッと口を真一文字にし、
眉を吊り上げる。

「無礼を承知で言わせていただきます!!

俺はあの時に晦冥様についていく道を選び、
そして晦冥様と同じ契印を刻んだ事に…

今まで一度たりとも後悔した事など
ありません!!」

突然、
大きな声でそう宣言をするものだから、
驚きで私の肩が跳ねた。

「晦冥様は何かしら大きな
勘違いされているようですので!」

「て、テンリ…?」

「最後に言っておきます!

俺のこの首に刻まれた
契印は誇りでございますっ!
それ以外、何物でもありません!」

では、失礼します!!
と大きな声で彼が言った後に
転移で何処かへと飛んでしまった。

「…。」

「はぁ、全くあの子は…」

カエデがそう言って
盛大にため息を吐く。

テンリがあの子呼びなら、
私は彼よりも数歳か下なので
カエデにとってはまだ子どもなのだろうか…

「A様もA様ですよ。

テンリのプライドを傷つけるような事を
言ってしまわれて…
彼があんな事を言うのも
納得できます。」

「私…そんなに悪いこと…
テンリに言ったか?」

「…お気づきではないのですね。」

「…?」

「あぁ、いえ、
きっとこれは私に非があります。

A様には契印は
恐ろしいものとばかりに
伝えてしまった記憶がありますので…

此処で訂正させてください、A様。」

彼は私の無い右手にそっと触れると
腕の包帯を解いた。

契印の繋がり 前編2→←知らないフリ 後編2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
60人がお気に入り
設定タグ:ナルト , 転生 , トリップ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

おぼろん(プロフ) - MAREさん» MAREさん、コメントありがとうございます!沢山オリキャラを出しすぎて皆さんの中でごちゃごちゃになってしまわないかとても心配だったのですが、楽しく読んで頂けているとの言葉、安心しました!楽しくお話を書き続けて行けるのも全て応援のおかげです!頑張りますね! (2021年7月10日 17時) (レス) id: fd0f1f35b3 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 続編おめでとう御座います!オリキャラも段々出て来て、ストーリーも進んでとても楽しく読ませてもらってます。 これからも頑張って下さい! (2021年7月10日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:おぼろん | 作成日時:2021年7月4日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。