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臆病者からの大逆転 後編 ページ19

マダラ視点


「兄さん。
そういえば…今日だよね?

ちゃんと行ってあげた?」

「いや、まだだ。」

俺がそう答えた途端に口を膨らませ、
いかにも怒ったような反応を見せるイズナ。

「行ってあげないと!」

俺たちにとって、
今日はたしかに意味がある日だ。

Aの命日。

「ほら、まだ時間はあるから、
せめて行ってきます、くらいは言ってきなよ。」

だが、もっぱら
俺はあいつが死んだ場所へと
行くつもりなどないのだ。

「イズナ、
最初からあんな所にあいつはいない…」

せめて体だけでもと探した。

だがしかし、
俺があそこへ行けた時には
既にもうあいつの体は誰かに
持ち去られてしまっており、
残っていたのはドス黒く変色した血液だけ。

後悔をしたのは言うまでもない。

あいつの死んだ姿を一人で
見たくないばかりに一度
戻ってしまった弱い自分に
対して憎しみすらわいた。

「だからあの場所に行く必要もない。」

「確かにそれは同感だけど…

あの父上でさえ毎年、
欠かさずに行ってるんだから。
もう恒例事業みたいな感じでしょ?」

「俺は…行かない。」

「もう…兄さんは。
いつもそんな感じで愛想がないんだから。」

そういつものように小言を言う
イズナには慣れっこだ。

「その無愛想さには流石の父上も
心配してたよ?

いつになったら許嫁を娶るんだ、
とか昨日一人で呟いてたし。」

「父上が…?」

「うん、父上が。」

くだらない…と俺はー蹴する。

「俺には毛頭そんな事には
興味がないのを知ってるだろう?」

「そんな風に突っぱねるのに
限界が来るのもそろそろじゃない?

だって兄さんは、もう族長なんだよ?」

「…、」

次の瞬間、
あまりにも突拍子のない事を言ったのだ。

「そりゃあ、勿論。

いつまでもAへの
淡い思いを貫くのは
兄さんの勝手だけど。」

「は?」

「あれ?違った?」

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おぼろん(プロフ) - MAREさん» MAREさん、コメントありがとうございます!沢山オリキャラを出しすぎて皆さんの中でごちゃごちゃになってしまわないかとても心配だったのですが、楽しく読んで頂けているとの言葉、安心しました!楽しくお話を書き続けて行けるのも全て応援のおかげです!頑張りますね! (2021年7月10日 17時) (レス) id: fd0f1f35b3 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 続編おめでとう御座います!オリキャラも段々出て来て、ストーリーも進んでとても楽しく読ませてもらってます。 これからも頑張って下さい! (2021年7月10日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作成日時:2021年7月4日 14時

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