検索窓
今日:2 hit、昨日:16 hit、合計:31,154 hit

影の世界 前編3 ページ8

「はっはっは!
カエデ、ご苦労であった!」

「いえ、カイメイ様のためとあらば、
このカエデ、何処へでも馳せ参じます。」

「なんとも忠義深い良い部下を
わしは持ったものよ!」

とても愉快そうに笑う豪華な衣装に
身を包んだ男はいつも以上に
上機嫌であった。

闇界での通り名を「カイメイ/晦冥」という。

その名の通り人々は彼を
「闇の王」「闇の覇者」「闇の帝王」
あらゆる呼び名で呼ぶが、

闇という言葉がどれからも抜けていない様は
彼がその類の人間であるという事を
明白に示している。

実は戦国を代表する
名高い大名の一人なのだが、
それは表の顔だという事は
今の彼の凶悪な笑みを見れば、わかるだろう。

「今日は
雪一族の子供が入ったのだろう??」

「はい。
一人、男児が。」

「そうか、そうか、男児か!
尚良いな!

では、今日は氷漬けにされた
人間が拝めるということか!」

「その通りでございます。」

「やはり飽きぬな!ハハハ!!」

こうして高笑いをする彼は
現在、夢中になっている
ある一つの事業がある。

それは…
「闘技場」である。

忍者達に真ん中の舞台で殺し合いをさせ、
観客に博打させるのだ。

どちらが生き残るか?と。

この遊びが彼の「闘技場」では
毎日のように行われていた。

その中で、
最も盛り上がるのは
血継限界の子供達に殺し合いをさせるという
普通の思考を持つ人間であれば
目すら当てられないものであった。

しかし人間とは残虐な生き物で、
人生の中に余裕を持てば持つほど
底知れぬ欲が溢れ、それを満たすためには
他に幾らでも残虐になれる生き物である。

故にもう、
どれほどの血が彼の舞台に
しみて行ったのか知れない。

だがしかし、
これすらも彼が無数に行っていた
悪行の一つでしかないのだ。

「カエデよ、
ではそろそろ行こうではないか!
余興が始まってしまう。」

「かしこまりました。」

非人道的な行為を繰り返し、
彼は此処十数年、闇の王として
君臨するほどの力を得た。

だがしかし
先に言っておこう。

今日がその帝王の「最後の日」である。

そして皮肉にも彼が一番虐げていた
それもたった一人の「子供」に
引きずり下ろされるとは…

彼自身、いや、
きっと誰も夢にも思っていないだろう。

影の世界 中編→←影の世界 前編2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
54人がお気に入り
設定タグ:ナルト , 転生 , トリップ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

おぼろん(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます!続編来ました!週末投稿でペースはいつもよりは遅いのですが、これからも続けていきます!  (2021年6月23日 17時) (レス) id: fd0f1f35b3 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 何時の間にか続編が出ていた、、、、おめでとう御座います!! (2021年6月23日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:おぼろん | 作成日時:2021年6月19日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。