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新しい主人 前編2 ページ34

「少し、此処で休憩しよう。」

「かしこまりました。」

二人だけの出張旅、
こんなご時世なので身分を隠すために
まるで親子のような風貌な私達。

「ふぅ。」

そこら辺の木にもたれかかりながら
私は腰を下ろす。

「ほら、カエデも此処に座りなよ。」

トントンと横の地面を叩きながら
カエデにも座るようにと促すと、

彼は数秒戸惑っていたようだが…

「今の私達は親子でしょ?」

私の言葉で納得したようだ、

「…、では失礼致します。」

風が通りすぎて木の葉が
擦れる音を聞きながら私はふとつぶやく。

「なんか森の中はやっぱり懐かしい…
すごく落ち着く。」

「そうなのですか?」

「あ、言ってなかった?
私、一時期、森で一人暮らししてたから。」

「一人暮らし…

あの…A様。
一つお聞きしてよろしいですか?」

「うん?何?」

「A様の、
その髪色、瞳の色からして
かなり特殊なお立場ですよね?」

「…そうかもしれないけど。
つまりは何が言いたいの?」

「晦冥様であられる貴方様にとっては
今更、全く関係がない事なのですが…以前は、」

そこまで言って彼は口を閉ざした。

「いえ、やはり今のは聞かなかったことに。」

「はっきり言えよ…
何処出身であんたは何者ですかって。」

「し、しかしっ

良いのです!A様っ!
内に留めておきたい物に私みたいな者が
不躾にも入り込もうとするなど。」

「はぁ…」

いや、聞きたいのか聞きたくないのか、
どっちだよ。

「…カエデが思ってるような
コンプレックスとか別にないから。」

これから彼にはお世話になるのだろうし
だから私は自分が知る限りの
生い立ちを暴露する事にする。

いや、勿論、
混乱してしまうであろう前世を
話すつもりはないのだが…

私のご先祖様くらいであれば…
まぁ大丈夫だろう。

「えーと、確か…

私の母方は千手で
父方の方は、うちは、らしいよ?

ほら、だからなんか
見た目もチグハグでしょ。

写輪眼は持ってるけど、
髪色は茶色で、この目も?」

「とてもお綺麗です。」

「…!」

真正面を向かってそんなキザなセリフを
吐くコイツの神経を疑うが、
一応は受け取っておこう。

「…ありがと。」

「フフフ、A様はとても
派手な生い立ちでいらっしゃるようですが、

このカエデも負けていませんよ。」

「お、
もしかして私に対抗して来んのか?」

私がわざと悪人ヅラをしてニヤリと笑うと
それに彼もクスクスと笑って言った。

「望むところです。」

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おぼろん(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます!続編来ました!週末投稿でペースはいつもよりは遅いのですが、これからも続けていきます!  (2021年6月23日 17時) (レス) id: fd0f1f35b3 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 何時の間にか続編が出ていた、、、、おめでとう御座います!! (2021年6月23日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作成日時:2021年6月19日 15時

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