誰かさんの尻拭い 中編2 ページ30
(マダラ君…柱間君とか…
何してんだろ…)
あの事件から私は何かあってはいけないと
引きこもっていたのだが…
外に一切出ない生活は流石に堪える、
そろそろ窓の外から眺める景色にも飽きた。
「カエデ、何か面白い事とかないの？」
「…、そうですね。」
顎に手を当てながら
彼は私に言う。
「前任者が進めていた事業が
停滞している事…
それにあらゆる裏稼業の関係者達が
身の程知らずにも不満を
示し始めている事くらいですね。」
「はぁ、それの何処が面白いの？
適当にほっぽっとけば良いでしょ、
そんなの。」
「晦冥」は移り変わったのだ、
前任者のやっていた事業なんか知るか。
「尻拭いとかやってられない…
どうにでもなれば良い。」
「その通りなのですが。
その溜まった不満の矛先が何処へ向くのか、
私では想像もつかずじまいでして…
流石にA様に向く事は
万に一つもないでしょうが。」
皮肉にも、「あれ」に
守られていると言うことか。
「矛先の当てでもあるの？」
どうやらカエデの言い淀む
言葉をしている辺り、
あまり無視を出来る内容でない感じらしい。
「いえ。
しかし、何処へと向かおうと
想定以上の血が流れる事自体は
晦冥様にとって喜ばしい事です。
あれの喉元が潤うだけでしょう。
このままでも、
何も問題はないですね。」
「…、」
それを聞いて気が変わった。
「いや、やっぱり尻拭いするわ。
で、どんな事すれば良いの？」
「…、
そうですね…」
少し考えると彼は口を開く。
「大雑把に言ってしまえば、
前任者が先駆者として立ち回っていた
人体売買の商売なのですが…
そちらの方から対処する必要あるかと。
一人、私の手が及ばない方がおりまして…」
「…つまりは…
その人をどうにかすれば良いのね。」
「はい、ですが
此処で私が説明をするよりかは
やはり実際に現場に出向かれ会われた方が
良いと思います。
そこで彼の有用性を
判断していただければ、」
私はピタリと動きを止める。
「…え？
つ、つまり…外に？」
「はい、
丁度良い機会です。
新しい晦冥様誕生を、
闇世界に知らしめましょう！」
「いや、そんな事はどうでもいいんだけど。
まず、良いの？
私、外に出て？
だって、あの時は危険だからって。」
私の頭の中は疑問で埋め尽くされた。
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おぼろん(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます！続編来ました！週末投稿でペースはいつもよりは遅いのですが、これからも続けていきます！ (2021年6月23日 17時) (
レス) id: fd0f1f35b3 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 何時の間にか続編が出ていた、、、、おめでとう御座います！！ (2021年6月23日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おぼろん | 作成日時：2021年6月19日 15時
