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誰かさんの尻拭い 前編 ページ27

「っぁ?!」

何もない所で転けた私。

なんでだよ、呪われてんのか?
あ、いや、呪印刻まれてたわ。

私の後ろでは護衛とメイドが
涼しい顔をしながら黙っているが
彼らの手は忙しなく
私の手当ての為に動いていた。

「…、」

すぐさま立ち上がって
私は膝をパンパンと手ではらう。

「何ともない。」

「「…、」」

少しくらい言葉で反応してくれたって
良いと思うんだ…

大丈夫?とか声かけてくれたって…

そう内心、思っていたその時、

「A様、お怪我なされてないですか?」

そう自分の事を心配してくれる声が
聞こえた。

「…カエデぇ!」

不覚にも少しうるっと来てしまった。

「少しの間、
留守にしてしまい申し訳ございません。」

「ううん…謝る必要はないよ。」

彼は私の無茶な願いを
きっちりと遂行してくれていた。

だから、
責めるなんて事はありえない。

「どうしたのですか?

そんなに素直なお姿は珍しいですね?」

「な、何でもないって。

それで?」

彼は少し微笑むと
私の前で膝をついて頭を下げる。

「はい、A様。

報告です。

攫って来た子供は全員
元の場所へと返させました。

そして、
晦冥様名義で買い占めた子供は孤児院へ、
謝礼金と共に引き取らせました。」

「ありがとう。

あ…あのさ。
あと、ハルノ君のこと…なんだけど。」

彼は顔を上げて私の方を見る、
やっぱり、と言うような表情だ。

気にしちゃうもんは、
仕方ないでしょうが…

「はい、元の家へと帰らせました。

家族と再会するのも、
しっかりと確認致しました。」

「じゃあ、何も伝えてない?」

「はい、何も知らずに。

A様が闘技場に居た事すら、
知ることはないでしょう。」

ホッと胸を撫で下ろした私。

つまりは彼はちゃんと家族と会えたんだ。

これは束の間の
悪夢のような物としてだけで
終わって欲しいが、

それはこれからの彼の心持ち次第だろう。

トラウマになってしまって
いない事を願うとしよう…

誰かさんの尻拭い 前編2→←奴の正体 後編



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おぼろん(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます!続編来ました!週末投稿でペースはいつもよりは遅いのですが、これからも続けていきます!  (2021年6月23日 17時) (レス) id: fd0f1f35b3 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 何時の間にか続編が出ていた、、、、おめでとう御座います!! (2021年6月23日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作成日時:2021年6月19日 15時

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