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烙印 中編 ページ18

「…、」

流石に徹夜で日を跨げば誰だって
一旦落ち着きを取り戻す。

「おはようございます、晦冥様。」

「夢だったらよかったのに…」

彼の腕の中にあった
大量の巻物を側の机に置かれる。

「ゲッ、何なの…これ。
まさか、全部読めとか…」

「はい

流石に何も知らずに、では
その名がお飾りになってしまいますので…」

こんなものお飾りで良いと思う。

「今日は手始めにこれを予備知識として
読んで頂きます。」

「…チッ。」

なんか巧妙に
丸め込まれている気がしてならないが
しかし実際にこの世界の知識が乏しいのは、
そのとおりだと言えるのだ。

一応、文句は言わずに
黙々と長い長い巻物を読む事にした。

さすらい旅すらしていた身
何もする事などないのだから
暇つぶし程度には丁度いい。

「晦冥って案外歴史長いんだ…」

この巻物の長さが
歴史の深さを物語っている。

「由緒正しき名であられます。
遡ろうと思えば、
六道仙人の時代にまで行けるのですよ?」

「へぇ、それは大層なこった。」

「…今、適当に言葉を返されましたね?」

「…、」

しかし読み進んでいくとわかってくる
歴代「晦冥」達のたった一つの共通点、

それは…
どれもが「絶対悪」だったと言うこと。

「串刺しの刑?
首狩りだけじゃ飽き足らず??

うわー、
かなりヤバい奴じゃん…
この、えーと五代目の人?
イカれてるよ…」

これ、読むにつれて
ドンドン気が滅入るのだが?

いや、もう
悪の根源、象徴こそが
この名だと言っても過言ではない程に
名を襲名してきた前任者共が
ありとあらゆる悪行を行い続けて来たらしいのだ。

そりゃあ、恐れられるわ

「ねぇ、カエデ。
この言葉の意味がわからないんだけど…
何か隠語なの?」

「それは人身売買の意味です。

晦冥様…
流石に、色々と裏世界の事情を
知らな過ぎるのではないでしょうか?

このカエデ、とても心配で御座います。」

「なっ!!お前があの時…

そうだよ!
あの時、私を止めてくれていれば、
こんな事にはならなかったんだよっ!」

ぱこんと読み途中の巻物を
彼に向かって投げ捨てるが、

片手で最も簡単にキャッチされてしまった。

腹が立つな!こいつ!!

「貴方様に教育を施すこと、
それが私の役目にございます。

これからは私が手取り足取り
裏世界について教えさせて頂きますので…」

「いいっ!!要らんっ!」

私は「晦冥」になりたくて
なったわけじゃない…
更々、
悪に染まってやるつもりなどないのだ。

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おぼろん(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます!続編来ました!週末投稿でペースはいつもよりは遅いのですが、これからも続けていきます!  (2021年6月23日 17時) (レス) id: fd0f1f35b3 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 何時の間にか続編が出ていた、、、、おめでとう御座います!! (2021年6月23日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作成日時:2021年6月19日 15時

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