烙印 前編 ページ15
流石にあの闘技場で夜を過ごす…
ということはなく
あそこからそう遠くない所、
周りは鬱蒼と茂った森の中に佇む
異様なほどに豪勢なお城に連れて来られたのだが…
「こんな山一帯を持ってるとか、
よほどの大名様なんだろうな。」
「今や、全て貴方様の物ですよ？」
「え、いらないよ、こんな。」
カエデが言うところによると
晦冥を名乗る者たちに代々引き継がれてきた
「総本山」みたいな所らしい…
此処を皆、
拠点にしていたのだとか…
「常人であればこのあたりの一帯には
近寄ることもいたしません。
それほど、神聖な場所なのです。」
「へぇ。」
その反対じゃね？と私は内心思うのだが…
辺りに生い茂った背の高い木々や草もろもろ、
何処か不気味さを感じる。
神聖というよりかは
なんか、邪気が漂っていそうだ。
カエデがギギィと
かなり重そうなドアを開けた瞬間、
「「「おかえりなさいませ、晦冥様。」」」
…、
ずらりと並ぶメイド達、
そして護衛達が無駄に豪勢で
広い広間にて待ち構えていた。
「…あ…ど、どうも…おつかれ様です…」
そのあまりの迫力に反射的に
ぺこりと私はお辞儀をしてしまう。
「…！」
彼らは少し目を開く、
しかしそれ以上は
何の反応を見せなかった。
「晦冥様、
こちらでございます。」
カエデに案内されながら
私はこれまた広すぎる部屋に案内される。
「これからは…
こんな所に住めっていうのか。」
「はい、晦冥様。」
ポツリと口から出てきた言葉に
律儀に返すそう彼。
「マジか、うん。」
…、
「って納得出来るかァアアア！！！」
一体人生どんな転び方してしまったら、
チビで、餓鬼で、平凡な人間である私が…
「闇の王」とまで呼ばれる人間になって、
しかもこんな城に住む羽目になんだよ！
「どうされました？」
「どうかされました、
じゃないんだけど？？
いや、聞きたいんだけど
闇の覇者とか呼ばれてる奴が
こんな餓鬼でまず一体誰が納得できるの？」
「何を仰っておられるんですか？
私は、」
「いや、仮にもお前だけだよ？？
満足してるのはっ！
絶対にあのメイドさん達とか！
護衛の人達とか！
あの反応見る限り納得してないよ？？
嫌だ、今すぐ辞めたい…」
「晦冥様…」
ゼェハァと息を切らしてツッコミを
入れるこっちの身にもなって欲しい。
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おぼろん(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます！続編来ました！週末投稿でペースはいつもよりは遅いのですが、これからも続けていきます！ (2021年6月23日 17時) (
レス) id: fd0f1f35b3 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 何時の間にか続編が出ていた、、、、おめでとう御座います！！ (2021年6月23日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おぼろん | 作成日時：2021年6月19日 15時
