影の世界 後編3 ページ14
「いや、マジかよ…」
…、
信じられるだろうか？
あれは全て奴の「素」で言っていた。
「んー…ん？」
私が眉間を摘んで難しい顔をしていた
その時、カエデは玉座に座っていた
ピクリとも動かないセングを肩に担ぐ。
「何してるの？」
碌な答えは帰って来ないだろうと
わかってはいたが一応聞いてみた。
「此処はもうこの男の玉座ではないので、」
「…、」
…じゃあ、誰の？
なんて聞く必要もなかった。
彼はまるで私が座る事が当たり前だとでも
言うような視線を送ってくるのだ。
「…、」
「どうぞ、晦冥様。」
なかなかに座らない私に
痺れを切らしたのかお座りください、
と私に満面の笑顔で言う。
「私はカイメイとか言う
ヘンテコな名前じゃない！
ちゃんとAって言う名前があるんだよ！
座らない！！
お前が座れば良いじゃん！」
全力で拒否してやる。
「何故ですか？
何も悪い話ではないと思うのですが…
裏から世界を支配できるのですよ？」
「そんなのどうでも良いって言ってんの！」
誰がこんな血で濡れたような席に
座りたがると言うのだ。
「私は座らないから！」
私が背を向けて地面にあぐらをかいて、
強い意思表示をして見せる。
「仕方がありませんねぇ。」
彼は少し沈黙してから
ふと思い出したかのように話始める。
「あぁ…そういえば…
かなり仲が良さげだった
あの特徴的な髪色の子供。
実は第三回目の闘技場出場が
決まっていましてですね…」
「…！」
ついつい彼の方へ振り返ってしまった。
「フフフ、
もしやご興味がおありですか？」
「今すぐ無しにしろよ。」
「…それは出来かねます。
貴方様は、此処に座るおつもりが
ないようですので…
おや、丁度始まったようですね。
ほら、とても良い眺めでしょう？」
一番の特等席なんですよ？と
言って少し御簾あげ、彼は口角を上げる。
こいつ…すごく腹黒いやつだ。
「お。彼は…
かなり運が悪いですね。
相手は雪一族の子ですか。
此処からでしたら
とても綺麗な氷漬けがみれますよ。」
ドカリと私はその瞬間、
玉座に座った。
それもかなり目を吊り上げ、
顔を引き攣らせながら…
「…テメェ…」
「そんな怖い顔しないでください。
晦冥様。
では手配、致しますね。」
ニコニコと貼り付けたような
笑みしやがって…この確信犯が。
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おぼろん(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます！続編来ました！週末投稿でペースはいつもよりは遅いのですが、これからも続けていきます！ (2021年6月23日 17時) (
レス) id: fd0f1f35b3 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 何時の間にか続編が出ていた、、、、おめでとう御座います！！ (2021年6月23日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おぼろん | 作成日時：2021年6月19日 15時
