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文明開花 後編 ページ10
「はっ、はっ…」
私は足の裏の痛みすらも忘れて、
走り降りて行った。
そして一番初めに見かけたある茶髪の少年。
この時代になんとも珍しい、
着物を見ている少年だ。
私の存在に気づいたようで
彼はこちらの方へと顔を向けた。
「あ…あのっ!」
そのタイミングを見計らって
話しかけようと…
手を伸ばして彼の肩をトンと優しく叩く。
初めての人と会話をするだけで
お腹が痛くなるというのに、
今は人であると言うだけで
少し嬉しく思う自分すらいる。
故に表情も優しく
ニコニコとかなりの笑顔で
だったはずなのだが…
「っ?!!」
その幼い少年は私を見るなり
大きく目を開け、顔は青ざめさせる。
「何故此処にっ!??他族の奴が?!」
私の手を勢いよく振り払うとまるで怪物でも
見たかのような形相で私から距離を取る。
「…?」
訳がわからない、
どうして彼の肩に手を置いただけで
此処まで辛辣にされなければならないのだ。
しかし、ただ驚いただけだろうと
私はもう一度トライする。
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作者名:おぼろん | 作成日時:2021年5月4日 16時