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鈍感か馬鹿なのか 前編2 ページ28

マダラ視点

「…、」

ピタリと動きを止めた俺の様子に
彼女は目尻を緩ませると
囁くように小さな声で言う。

「だって、ーーは
私よりも寂しがり屋だったからね。

少しくらいはお姉ちゃんに
甘えるべきでしょ?」

そう言いながら俺の頭を撫で始める彼女。

「大丈夫、
二人だけでも生きてける…

だって姉ちゃんがついてるからね。」

「…!」

ただこいつは寝ぼけて俺を
他の奴に見立てているだけ、
そうわかっていながらも…

もし自分に姉という存在がいたら
こんな感じなのだろうか?

ふとそんな事を思ってしまった。

きっと初めて感じた、
この胸の内の感覚に戸惑っていたのだろう。

「なんだよ、
俺よりも…チビなくせに…」

そう俺が次に声を発したときには
もう既に彼女はその瞼を閉じて
小さな寝息を立てていた。

「…、」

結局その後、
抜け出そうにも抜け出せず
彼女の暖かな体温にも促されるように
俺も気づかない内に眠りにおちていた。

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作者名:おぼろん | 作成日時:2021年5月4日 16時

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