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二人の少年 前編  ページ14

「はぁああ…」

嫌な記憶を思い出してしまった私は
大きなため息を吐く。

無理だな、うん、無理。

今度行ったら殺されるかもわからん。

「あそこへは降りていけねぇな…」

私はくるりと方向転換をして反対側へ、
行こうとした…その時。

「あれは、人ぞ!!」

「あっ、馬鹿、お前。
そんな大声出したら、」

何やら近くの茂みの中から
ヒソヒソと声がした。

「っ、」
突然の声にあの時の殺されそうになった
トラウマが鮮明に蘇り、
私はぴしりと身を強張らせる。

「誰だっ!」
少し緊張から上擦った声が
出たが今はそれどころじゃない。

「ハハハ、気付かれたぞ!
気配を隠すのが下手だな!マダラ!」

「柱間、テメェ!!
俺の所為にすんじゃねぇよっ!
今のは完全にお前が悪かっただろうが!!」

ギャーギャー騒ぎながら草むらの中から
顔を覗かせた男子二人。

子供か…

「…、

君たち…一体、何の…用?」

しかし子供であろうと油断はできない。

さっきの仕留め損ねた兎の如く、
私は警戒心バリバリで彼らの方へと向く。

両手はそれぞれ必然的に、
あの時持って帰ってきて
今では護身用となった包丁、
そして自作の弓へとゆっくりと動いていた。

「すまんな!マダラが最近、
気になってる女子が居るって言うから。」

「…。

は?」

あまりにも唐突な言葉に
正直言って拍子抜けした。

「ちっ、違ぇよ!!?
何、勝手言ってくれてんだっ!!」

バコンとかなりの力で黒髪の少年は
茶髪の少年の頭を殴る。

「マダラ!
今のはかなり本気で殴ったんぞ!!」

「当たり前ぇだろ!!
お前が馬鹿な事言うからだっ!」

「…、」
下手なボケとツッコミを
突如として繰り広げられた訳なのだが…

そんなカオスな中、
私の目線は自然に彼らの手元へと行っていた。

(何しに来たって
改めて聞きたい所だったけど…

見る限りは本当に
ただ気になっただけらしいな…)

どうやら何も危険物は
持っていないようだから、
彼らは確実に丸腰の状態。

所詮は子供の興味本位からの行動だろう。

…危険はない筈…

「お前…此処ら辺に住んでるのか?」

「え…」
突然の黒髪君からの質問に
私は戸惑いながら頷き肯定する。

「あぁ…まぁ。」

「一人で?」

「う…うん…?」

「一人ぞ?!」
茶髪君が目を大きく見開く。

「そうか、やっと謎が解けた。

お前、戦争孤児か…」

そう黒髪君が言う言葉に
私は、はて…?と首を傾げた。

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作者名:おぼろん | 作成日時:2021年5月4日 16時

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