滅亡を求む不死身な転生者 第十章【NARUTO】

仲間か任務か　後編2 ナナシ視点 ページ9

ナナシ視点

茶髪の俺の髪を撫でながら
ゆっくりと彼女は俺に言う。

(いいかい？
うずまき一族は生命力が
どの一族よりも高いんだよ…

だからどんな状況であろうと
生きる事を諦めてはいけないんじゃ。)

(生命力って…なーに？ばあちゃん？)

(生命力とはチャクラ…
そしてチャクラとは生命力。

二つは表裏一体、この世の森羅万象さね。

だから…こんな事はあっちゃあいけないが…
もしもがあったらチャクラを分けて貰うんじゃよ？)

俺はまだ子供だった。
彼女の言っている意味をそう理解する事はなかったし、しようともしなかったんだ。

(ほら、この髪は生命を燃やす
焔の赤色なんだよ？)

(んー、でも僕の髪、
ばあちゃんと一緒の赤じゃない！)

俺は祖母の赤色の髪が好きだった、
どんなにしわくちゃになってもその赤だけは薄れ消えゆく事はなかったから…

(ハハハ、全ては髪色で決まる訳じゃないさ。
この体に流れる血液、
そして指先の細胞一つまで…

お前は族長である兄さんの、
そして私のうずまきの血を受け継いでいるからねぇ。)

(またうずまき族長の話？？それ嘘でしょ？？
だってもし本当なら
ばあちゃんの所にその人来るはずだし…

それに渦の国なんてもう
跡形も無くなったんだよ？)

(フフフ、私は死んだと
そう兄さんは思っていたんじゃろうなぁ…

でもあの人はそれでよかったんじゃ…

きっと私が会いに行くと、
そこで崩れてしまう兄さんなりの信念が
あったからねぇ。

もうなくなってしまったけど…
それでも私は兄さんの軌跡を知っている、
それで十分なんじゃよ。)

(え？？でもそんなの
なんか悲しいじゃん…)

(いんや、悲しくなんてないさ？

あの人の側に居る事で
足枷にはなりたくなかったからねぇ…

ちゃんと兄さんの信念を貫き通してくれた方が…
嬉しかったんじゃよ、私は。)

そう言う彼女は本当に
寂しそうには見えなかった、
寧ろいつも…最後のその時まで…

どこか誇らしげな
そんな穏やかな表情をしていたんだ。

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