滅亡を求む不死身な転生者 第十章【NARUTO】

うずまき同盟　前編 ページ37

「赤髪の暗部面…」

そう吐き捨てるかのように言った
里前の門番は私を見るなり眉を顰める。

「あぁ？！
何か言いたい事あるならはっきり言えや？
なぁ、そうだろ？アカ！」

そう言って彼に詰め寄ろうとする
ナナシの手を私は掴んだ。

「やめてくれ…」
せめてでさえも評判が悪いのに、
そんなチンピラみたいな事するなって。

「チッ、」
未だにガンを飛ばしたままのナナシは
ぺっと地面に唾を吐き捨てると
今度は私の手を掴んで引っ張った。

「行くぞ、アカ。」

「あ、あぁ…」

去り際に彼は吐き捨てる。

「胸糞悪りぃな…
一体誰のお陰で門番やれてると思ってんだ。

俺らが外で危険な任務引き受けてやってるから、
安全な里で悠々自適な生活が出来んだろうが。」

彼の言う事は最もなのだろうが…
言い返しても面倒くさくなるだけだ。

ナナシは血気盛んな所があるから
余計に酷くなるのは予想がつく。

「それよりもさ俺たち体中血塗れだし、
家に帰る前に銭湯に行かないか？」

「あ…あぁ、たしかにそうだな…
お前んとこの弟にまた泣きつかれてもあれだしな。」

「あー、アキトのあれな…
何か悪かったな。」

前の任務で私が血塗れの服のまま
戻って来た時にはそれはもうアキトは
びっくり仰天してしまい…
ナナシに「姉ちゃんに何をしたんだっ！」と
大声を上げて飛びかかるという事件が起きた。

後に事情を説明し事なきを得たのだが、
流石にあれは双方に酷い事をしてしまった。

早速と、
私達は銭湯への暖簾を二人くぐる。

「じゃあ、俺はこっちだから。」

「あぁ、ゆっくりしろよ。」

「お前もな。」

そう二人短い言葉を交わした後、
女風呂の方へと向かった私。

道中、血塗れの私は嫌な目こそ向けられど
叫び声をあげられる事や手桶を投げられる事は一切なくとても快適に過ごせた。

うずまきAの体であったなら、
こんな風には過ごせていなかっただろう…

「ふぅ…」
ちゃぽんと熱めのお湯の中に入ると、
じわじわと感じるその暖かさに私は
ついつい声を出てしまった。

「あ゛ー、気持ちいぃ…最高だわぁ…」

さっき私の横を嫌な顔をして
通って行った女性で最後かと思っていた私。

「ミナトから聞いて一体どんな子かと思えば…
案外、おっさんみたいな事言うんだってばね！」

「っぁ？！」
あまりにも油断し過ぎていた私は
後ろから聞こえたその声にひっくり返りそうになった。

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