蜜を啜れに者達 中編 ページ10
叔父様、と彼女が呼んでいる人間、
きっと彼こそが「御宿傑」こと「降嗣傑」、
私の人間の父親なのだろう。
つまり目の前のこの女性は
私の従姉妹にあたる人だ。
「山神様からの契約から
私達降嗣家が貰った物は呪い、
ただそれだけよ。
帰って頂戴。顔も見たくない。」
「おや、依頼は良いのですか？」
「くどい、もう良いわよ。
その依頼自体が貴方達の罠だって
こうして気づけたんだもの。」
彼女はその視線を
シュラとシズクの方へと向けて吐き捨てる。
「私達が見えないからって
なめてんじゃないわよ。」
「そんなつもりはないです。」
やっとそう声が出た。
「はぁ？？
つもりはないって、貴方、」
「降嗣さん、
見えなくてももし感じる事が出来るのなら、
私のこの中にいる彼の事も…見えますよね？」
私が少し包帯をずらす、
たったそれだけでこの部屋の空気が
ガラリと陰鬱なものへと変わる。
(あぁ…あぁ…
この感じは…ククク…
降嗣、お前か？
…あの人間め…)
その重たい空気はまるで
黒煙が部屋の中を充満しているかのようで
息するのも億劫になる。
(許してなるものか…
呪ってやる…末代まで…祟ってやる…)
「！！？」
いち早くこの気配に反応したのは
彼とは面識があるシュラとシズクだ。
「この気配は…」
「山神様…なのですね。しかし…」
彼らは言葉を詰まらせる。
何故なら…そう、
さっきからかなり山神様は
私の中で怒り狂っているのだ。
降嗣家に入ったその時から…
さーっと顔を真っ青にした彼女。
「ま、まさか…貴方。
叔父様と同じように自分の中に
山神様を降ろしたって言うの…？
死にたいわけ？？」
「違いますよ、降嗣さん。」
まるで馬鹿な人間を見るかのような
目つきをする彼女に的場は言う。
「こうなる事を彼女自身が
望んだ事じゃない…
貴方の叔父と彼女は訳が違うんです。」
「とにかく、
私も貴方と同じように…
彼の呪いを受けています。」
「はっ、それが何よ。
山神様と関わった事の報いを
降嗣家だけが被っていないのが
わかって清々するわ！」
「本当…なんて自分勝手な人達だ。」
ギュッと血が流れ出てきそうなほどに
爪が掌に食い込む。
「自分達と契約をさせる為に…
彼を利用しようとしたのは
御宿家もこの家も同じでしょう？」
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おぼろん(プロフ) - あまねさん» あまねさん、ありがとうございます〜(*^▽^*)長らくお待たせしてしまい申し訳ございません…それでも読んでくれる方がいてくれる事に作者、おぼろん感謝感激ですッ！！！ (2021年11月2日 10時) (
レス) id: 05589eb251 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 完結おめでとう〜､､､ございます(無理矢理感半端ない敬語) (2021年11月1日 23時) (レス) @page35 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろん(プロフ) - あまねさん» あまねさんコメントありがとうございます！内容が濃いだなんて…嬉しいです！ありがとうございます！色々と思考を凝らした甲斐がありました！(*^^*)更新これからも頑張ります！ (2021年8月15日 17時) (レス) id: 3562684528 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 1話1話の内容が読み応え(濃くて)があって、読んでいると時間を忘れる作品でした！更新頑張ってください（ｹﾗｯ (2021年8月14日 0時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろん(プロフ) - えりなさん» えりなさんコメントありがとうございます！最近こっちのお話は全然浮上出来てないので申し訳ないです…もっと更新できるように頑張りますね！ (2021年7月24日 6時) (レス) id: cc1232a354 (このIDを非表示/違反報告)
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