これは前世の報いなんですか？第五章【夏目友人帳】

彼が待つ未来へ　後編 ページ32

「は、離せっ！」

「何を言っているのですか？
先程は家族は一生側にいるものだと…」

「そう言う意味じゃない！！」

「おやおや、
かなり煩いと思えば、」

再度開かれた襖から
七瀬さんが顔を覗かせる。

「会長、お目覚めですか。

二度寝もほどほどにしてくださいね。」

「七瀬。

えぇ、まぁ。

流石にいつもは
恥ずかしがってしまうAさん本人から
あれほどの告白を聞いてしまったら、

起きない訳にもいかないので…」

「それを言うなっ！！」

「まぁまぁ、
とても可愛らしかったですよ？」

「的場っ！！！？」

ギャーギャー喚く私、

それを宥めているのかそれとも
助長させているのかよくわからない的場、

そしてそんな私達を見ながら
クスリと笑った七瀬さん。

「どうやらいつもの賑やかさが
戻ってきたようだよ…れいじ君。」

それはもう青く透き通った空へと
ぽつりと呟いた。




「何も代わり映えのない日だった」
そんな言葉をよく聞く。

でも、変わらぬ日なんてありえない。

確実に日々は移ろぎ
変わって行っている。

それが良い方か、悪い方へ行くか、
そんな事は誰にも分からないし…
昨日あった日常が、
明日必ずあるなんて確証はどこにもなくて…

でも、
だからこそ一日一日を私達は
繋がりと愛を感じながら大切に生きていく。

命短い人間だって、
永遠を生きる妖だって…

それは等しく「同じ」なのだ。

作者から皆さまへ→←彼が待つ未来へ　前編

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す