前途多難な子供達 中編 ページ39
子供達視点
「あの先生…ヤベェな。」
そう誰かが言ったのを皮切りにそれぞれが
自分の思いを小声で言い合う。
「うずまきAって
離れにあるあの大病院の院長だろ？あれ。」
いつもであれば傍観者側に徹する
志村ダンゾウが珍しく反応する。
「うぇ、大病院って…えっ、あの？？
そうなのか？！ダンゾウ！」
そして今更、
その事実に気づき驚嘆の声を
上げる猿飛ヒルゼン。
「馬鹿っ、静かにしろヒルゼン。
気づかれるだろうが。」
「いだっ！！」
ダンゾウに頭をかなり強めに
叩かれて涙目になる彼、
その様子に苦笑いをする
もう一人の黒い癖っ毛の子供。
「でもA先生、
イズナ先生と仲良さそうだった…」
エリート一族うちは出身のうちはカガミは
こそっと仲間たちにそう耳打ちする。
「確かに…扉間先生よりかは
ずっと仲良いわよね？」
男共の紅一点、うたたねコハルは
カガミの言葉に同意して頷いた。
「でも…
かなりイケメンな先生来たぁ！ウフフ。」
まるで猛々しく燃える炎のように真っ赤な髪、
しかしそれに相反して、
木々の隙間を通り向けるそよ風のように
穏やかな茶色い瞳。
中性的なその顔は
雪のように真っ白な肌にとても合っていて…
頬を紅潮させて喜ぶコハルに
男三人はかなり否定的な意見を浴びせる。
「でも…かなり怖いけどね。」
「教壇に真っ二つにした時、
俺死ぬかと思った。」
「あぁ、カガミの言う通り
かなりヤバいな、あいつ。
それに見たか？
あれ完全に目がイカれてやが、る…」
「ほぉほぉ…
かなり興味深い話をしているじゃないか？
俺にもその話を聞かせてくれないか。」
「「「…。」」」
ヒュッと三人の喉の奥で恐怖の音がした。
「で、誰の目がイカれてるって？？
聞かせてくれないか？」
よっこらせ、と自分達の間に
割って入って来たAの存在に皆、
顔を青くしてただただ
目を合わせないようにと地面を見ていた。
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