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知らんぷり 前編 ページ36

「〜ッッ!!?」

容赦なく深々と斬りつけられた私、
血を撒き散らして後ろに後ずさると、
あまりの痛みから傷口を抑えながら膝をつく。

「Aッ、お前はそんなものか!」

私の血がついた刀を、
私の首に突きつけると彼はそう言い放つ。

「ッ。」

私は体中のチャクラをその傷ついた部位に集めると、そこだけの治癒力を急激に活性化させる。

すると、一瞬で千切れた筋肉は繋ぎ止められ、破壊された細胞は修復し、
傷口から流れ出る血が止まる。

「いやまだだ、…俺はまだいける。」

私がそう言い、自分の刀を握り直すと
奴は口角を上げて
もう一度、自身の刀を構えてなおした。

彼の刀の刀身は
私の血が酷くこびりついていて
赤く染まっていた。

斬られて、修復して
そしたらまた斬られて…

母が死んでから
あっという間に半年近く時間がたつが、
この頃はずっとこれだ、
一体血をどのくらい流したかわからない。

人間何人かぶんの血は
流したのではないだろうか。
うん、修行と言うよりかは拷問に
近い感じかもしれない。

しばらくしてクソ親父が
満足するまで修行に付き合わされ、
まるで使い古された雑巾のように
ボロボロになった私はあいつがいなくなると同時に倒れ込むように地面に寝転がる。

「はぁ…はぁ…疲れた…」

いつまで続くんだろうか…これは…

だいぶ力はついてきた筈だ。

刀、手裏剣、クナイから始める多くの武器の扱い方から、自分の体術に、
そして私の特別な力、高い治癒力…

しかし、まだまだ足りない。

まだ、教えて貰ってすらいないが、
今の世界、忍術がきっと肝心な所となる。

それすらまだ、行き届いていないのだ、
もっと努力を積みかさなければ…
どうせなら、
あのクソ親父を片手で捻り潰せる程の力が欲しい。
自分を殺してでも、
女としての人生を捨ててでも
私は強くなりたい。

しかしその目標には
あまりにも先が見えなすぎると、
そう一人悶々と考えていた時、
少し遠くから女性の声が聞こえた。

「A?今、大丈夫?」
私はその声に私は驚きを隠せず
体を跳ね起こし、声がした方へ顔を向ける。

一瞬、お母さんの声に聞こえたからだ。

しかし、そんな訳がない。
長く赤い髪を揺らしてそこに立っていたのは、ミト、
あの事件から今まで
顔すら合わせる事がなかった
私の従姉妹だった。

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作品ジャンル:アニメ
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おぼろん(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます!!ジョジョも大好きなので、どうしてもジョジョネタをぶっ込みたかったんですwww面白いと言ってくれて本当に嬉しいです! (2020年12月13日 15時) (レス) id: 1ee1bd2324 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 面白かったです!初っ端のジョジョネタで笑いましたww主様とは気が合いそうですw (2020年12月13日 10時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!!いくつも掛け持ちしてるので申し訳ないです。他のと両立できるようにがんばります!! (2020年11月28日 6時) (レス) id: 32dbdc0bea (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - おお!今度はナルトですね!おぼろんさんの作品のナルトはとても面白いし他にはない作品なので、とても嬉しいです!これからも楽しみにしてます! (2020年11月27日 21時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年11月27日 9時

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