やってられねぇ 中編 ページ26
「ッ、」
ある広々とした部屋に連れ出され、
突き飛ばされた私は畳に尻餅をつく。
今まで死んだものとして扱っていたくせに、
今更私に何の用だと言うのだ。
「A、お前には男として戦争に行ってもらう。」
「は？」
戦争、と聞いて私は一瞬表情を固まらせる。
色々と思い浮かぶのは、
前世での戦争のイメージ。
銃火器に、戦車に…
平和な日本で学生として住んでいた私には、
全く関係ない事だとそう思っていた。
「い、嫌だッ、絶対に行かないっ！」
恐怖が湧いてくる、
今までそんな死に近い場所で生きてはいなかったのだ。
死にたいとは思った事は何度もあるが、
戦場に行って死ねる程、勇気はない。
「お前などに選択権はない。
明日からお前には宗家の忍として戦場に赴け。」
宗家の忍者として…つまり
奴は私を自身の跡取りとして
見定めようとしているのだろうか。
しかし、それならばお門違いにも程がある。
元からそんなもの継ぐつもりもなければ、
私は自分の事をこの一族の一員だとも思っていないのだから。
寧ろ、大っ嫌いだ。こんな一族。
私も一族から一度見捨てて、
そしてお母さんを追い込んだ一族の縛りも。
「お前は今まで私の事なんて邪魔者として扱ってただろうがッ！！どうしてそんなこ、ガハッ、！！」
反論をしたら
ドガっと容赦なく腹に蹴りを入れられた私。
まだまだ小さい体がまるでボールのように吹っ飛び、私は畳に叩きつけられる。
「ぐっ、ゴホッ、」
じわじわと腹から感じるその痛み、
流したくもない涙が出て来て、
でもこいつには絶対に見られたくないと
私は奴から顔をそらすため下を向く。
「私が言う事は全て掟となる、
つまり絶対だ。お前は女を捨てて、
明日から男として生きろ。それが掟だ…」
歯を食いしばりながら奴の横暴さを聞いていて私はこの男に殺意を覚える。
「その長い髪は邪魔だな…」
奴は私の腰まで届く長い髪を掴むなり持ち上げる。
「ッ、何をッ！」
ぶちぶちと千切れる音が聞こえて、
私は痛みから顔を歪ませる。
次の瞬間、ジョキリと耳に響いた音。
奴は懐から取り出した小刀で
私の髪を切ったのだ。
パラパラと真っ赤な髪が畳の上に落ちる。
「明日からだ。わかったな。」
「…。」
もう何も答える気力すらない。
唯々今、感じるのはこの男に、
一族に対する憎しみだけだ。
奴が出て行った後、
私は地面の不揃いになってしまった髪を触りながら、ぽつりと呟く。
「こんな一族…滅んでしまえばいい…」
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おぼろん(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます！！ジョジョも大好きなので、どうしてもジョジョネタをぶっ込みたかったんですwww面白いと言ってくれて本当に嬉しいです！ (2020年12月13日 15時) (
レス) id: 1ee1bd2324 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 面白かったです！初っ端のジョジョネタで笑いましたww主様とは気が合いそうですw (2020年12月13日 10時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます！！いくつも掛け持ちしてるので申し訳ないです。他のと両立できるようにがんばります！！ (2020年11月28日 6時) (レス) id: 32dbdc0bea (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - おお！今度はナルトですね！おぼろんさんの作品のナルトはとても面白いし他にはない作品なので、とても嬉しいです！これからも楽しみにしてます！ (2020年11月27日 21時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)
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