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布団の中から出たくない 後編2 ページ22

二人でワタワタとしていると、
突然、もう一人この部屋に入ってくる。

「…ぁ」
その人物を見た途端に
さっきまで出ていた声は途切れ、
出てこなくなる。

青い瞳で私の事を睨みつけながら
見下ろすそいつ。

クソ親父…なんて事を言ったら
殴られかねないので、私は唯々萎縮し縮み込む。

(苦手なんだよ。こう言う威圧感強い奴…)

何か心ない言葉を言われるのかと思ったが、
彼は私の事を無視して、柱間の方に向き直る。

「柱間殿、あまり色々と
屋敷内を詮索するのはよしてもらいたい。」

「で、でもっ、彼女は…怪我して、」

「それはこちらの一族の事。
何も部外者の君が気にする事ではない。」

「っ、」

部外者と言われれば、
一族同士の争いが続く戦乱の世の中
また一族と言う鎖に縛られている柱間も
言い返せない。

「柱間っ、お前と言うやつは何をしているのだ!」

随分と怒ったような剣幕で、
後から来た彼の父親が柱間の腕を掴んで
彼を部屋の外へと連れ出そうとする。

早く出るように急かされながらも
彼は最後の最後まで私を気にするように振り返る。

そんな彼の優しさに
私は久しぶりに胸が暖かくなる、
しかし、それと同時に酷く今の自分が惨めに見えた。

パタンと襖が閉まり、
そして私はまた一人になった。

「…。あぁ…キツい…」

そろそろこの体も限界が近いらしい。

荒くなる息、そして朦朧とする意識に
私は血だらけの布団の上にコロンと寝転がる。

「…はぁ…」
子供ではどうしようもない、何もできない…

それは日々の物事から
どうしようもなく理解している。

だからこそあの時、
子供である柱間に助けを求めれなかった。

所詮は、私もあのクソ親父かお母さんが何か言えば私はどうにかなってしまうのだから。
それに、抵抗する事も意味をなさない。

あぁ、惨めだ。

よくわからん原因で血が出て傷は痛むわ、

クソ親父からは見放されて一族としてすら見てもらえないわ、

嫌になって家出も考えるは考えるけど
結局お母さんそれが原因でもっと病みそうだから実行出来なくなるわ…

本当にもう散々。

父親が私に放った言葉が蘇る。

「ハハ、本当あの時…死ぬべきだったな…
赤ん坊のまま…何も知らずに…」

ゆっくり眠りにつくように
私はそう言うと目を閉じた。

もうずっと夢の中に居たい 前編→←布団の中から出たくない 後編



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作品ジャンル:アニメ
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おぼろん(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます!!ジョジョも大好きなので、どうしてもジョジョネタをぶっ込みたかったんですwww面白いと言ってくれて本当に嬉しいです! (2020年12月13日 15時) (レス) id: 1ee1bd2324 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 面白かったです!初っ端のジョジョネタで笑いましたww主様とは気が合いそうですw (2020年12月13日 10時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!!いくつも掛け持ちしてるので申し訳ないです。他のと両立できるようにがんばります!! (2020年11月28日 6時) (レス) id: 32dbdc0bea (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - おお!今度はナルトですね!おぼろんさんの作品のナルトはとても面白いし他にはない作品なので、とても嬉しいです!これからも楽しみにしてます! (2020年11月27日 21時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年11月27日 9時

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