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過保護な母親のせいで外に出られん 中編 ページ17

あの頃から何も変わらないその部屋に、
私はお母さんに連れ帰られると
彼女は優しい笑顔で私に微笑む。

「A、お夕飯持って来るから。
此処で待っているのよ?」

「うん、」

「ここから外に出てはダメ、約束できる?」

「出来るよ。」

眠い訳ではないのだが彼女を殆ど無理矢理、
私を布団に寝かせる。

こうして私が彼女の側に居て言うことを聞いている時は彼女は何もしない。

襖がパタンと閉まった後、
私は耳を澄ませる。

彼女の遠ざかる足音が完全に聞こえないほどまでになった後、私はふぅと安堵のため息を吐いた。

(お母さん、相当心配していたんだな…)

彼女の腕に新しい傷が出来ていた。
それが出来るのは必ず決まって私が彼女の目の前からいなくなったりして、彼女の不安が募る時だ。

あの凍傷事件から
私はうずまき一族から追い出されると言う事はなかったのだが、
殆どいないものとして扱われている。

そのかわりと言ってはなんだが、
お母さんは私に対して度を超えて過保護になり、
あの事件以来、
彼女の言いつけもあって
私は一度も外の地面に触れた事はない。

(いや、もう触れる手も足もないけど…)

人に合わせる事も殆ど無くなったと言ってもいいだろう。

(ミトにもあれから一度も顔を合わせる事もなくなったし…何?忘れられたのか…?私。)

時たまに、自分はひょっとしてもうお母さん以外には忘れ去られているのではと心配になる。

大きく腕を広げて私は天井を見上げて、
小さな囁くくらいの声でその模様を数え始める。

「一…ニ…三…四…、」

いつもは何千とまで言った頃に、
やっと眠りにつけるのだ…

しかしながら、
今日はない四肢が疼くような気がして全然眠りにつけない。

「んぅ…いてて…何だよこれ。」

時間が経つにつれまるで身体中が熱っているかのように熱を持ち痛み始める。

(風邪、ひいたのか?)

うずまき一族の一員として数えられていないとはいえ、両親はうずまき一族の私。
当然、この赤い髪を持っている私もその丈夫で生命力が高い体を受け継いでいる。

「はは、いや、まさかな…」

風邪なんてそんな軟弱な物にかかるわけがない。

この痛みはまた別のものだ。

額に脂汗を滲ませながら、
静かに私は痛みに耐えていた。

過保護な母親のせいで外に出られん 後編→←過保護な母親のせいで外に出られん 前編



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作品ジャンル:アニメ
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おぼろん(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます!!ジョジョも大好きなので、どうしてもジョジョネタをぶっ込みたかったんですwww面白いと言ってくれて本当に嬉しいです! (2020年12月13日 15時) (レス) id: 1ee1bd2324 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 面白かったです!初っ端のジョジョネタで笑いましたww主様とは気が合いそうですw (2020年12月13日 10時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!!いくつも掛け持ちしてるので申し訳ないです。他のと両立できるようにがんばります!! (2020年11月28日 6時) (レス) id: 32dbdc0bea (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - おお!今度はナルトですね!おぼろんさんの作品のナルトはとても面白いし他にはない作品なので、とても嬉しいです!これからも楽しみにしてます! (2020年11月27日 21時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年11月27日 9時

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