いつのまにか 中編 ページ10
「はぁああ…本当気持ちが良いなぁ風呂は…日本に生まれてきてよかったぁ。」
ヒタヒタと裸足で廊下を歩きながら、
私は濡れたままの髪にタオルを巻きつけて、
寝室に向かう。
「れ、い、じ、くーん!」
風呂上りは決まって機嫌がとても良い私。
襖をスパンと勢いよく開けて、
大きく両手を広げてそこにいるであろう人物に私はハグをする。
「ん?…あれ…」
しかし、いつもよりも感触が違う。
れいじ君ならもっと小さいし…
それに頬だって柔らか、
「Aさん?」
「ギャアアア!!」
私はすぐさま手を離すと
汚い叫び声をあげて尻餅をつく。
「お、お前、なんで此処に居るんだっ!!」
此処は私とれいじ君だけの寝室のはず。
この男が入って良い場所じゃない!
「しかし、此処は…私の屋敷ですが?」
何がおかしいんだ?という表情で、
彼は答える。
「此処は私とれいじ君の部屋!
大切なプライベートスペースなんですけど?
だから!今すぐ出てけっ!!」
「母上?」
れいじ君はもう既に敷かれていた布団に
寝転がっており、
的場に詰め寄り叫ぶ私を
寝返りを打ってまんまるなその瞳で見る。
「れいじ君、どうしてこの人がここ、ん?」
あれ、なんかおかしいぞ?
敷かれている布団の数を私は数える。
一、ニ…三?
うん?布団が…一、ニ、…さ、ん?
三つ?
ジト目で的場の方を向く。
「お前、まさか…此処で
寝るつもりじゃねぇだろうな?」
「えぇ。そのつもりですが…なにか?」
「何かじゃねぇだろっ!!」
私が声を荒げると、
その間にれいじ君が入ってくる。
「母上、怒らないください。
僕が父上にお願いしたんです!」
「え?頼んだ…?
はぁぁ?的場、お前…
頼まれたからってそれ受けんの?」
「いえ、本当であれば受けないのですが。
貴方は随分と揶揄いがいがあるので。」
「あ?」
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おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので!これからも頑張ります! (2020年11月7日 6時) (レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます!初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)
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