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いつのまにか 前編 ページ9

A目線

ずっと無言だった息苦しい車内から、
私は飛び出る。

「母上!父上もお帰りなさい!」

待っていましたとばかりに
れいじ君が腰に抱きついてきて、
門の前では七瀬さんが立っていた。

「会長、Aさん。随分と早い戻りだね。
二人きりだったのに
何処にも寄らなかったのかい?」

「えぇ、ただいま戻りました。」

ただいまと答えたい所だが、
何、いつのまにその呼び方定着してんの?

「え、的場、
お前これ普通に受け止めてんの?

父上でいいの?お前。」

ポーカーフェイスの的場。

「七瀬、私達は何処にも、
行く予定はなかったので。」

何処にも、を強調する的場に
七瀬さんがクスクスと笑う。

「…。」

あぁ、こいつなんやかんやで
どうでも良くなってる感じだわ…

「母上!」

今日は我慢しましたよ、
と私にキラキラとした目を
向けてくるれいじ君。

偉い偉いと頭を撫でると、
嬉しそうに頬を綻ばせる。

「母上、前は駄目でしたが、
今日なら一緒にお風呂駄目ですか?」

「うーん、それはごめんねぇ…」

彼は少し考える、
そしてパァアアとした顔で私を見上げる。

「では母上、今日は
皆んなで眠りませんか?」

「え?あー…」
二度も駄目と答えるのはあまりにも可哀想だ。
私が口籠ると、
横から的場が入って来た。

「それってもしかして、私も入るんですか?」

七瀬さんがそれに頷く。
「当たり前ですよ、会長。
家族とは父親、母親、
そして子供で一括りなんですから。」

「七瀬、貴方には聞いていません。」

「ふふふ」
的場の反応を確実に
面白がっている七瀬さんだった。

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おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので!これからも頑張ります! (2020年11月7日 6時) (レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます!初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年11月5日 22時

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