喧嘩という訳でもない 後編 ページ35
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「貴方、どうして此処にいたの?」
「知らん。」
「何処から来たの?」
「言わねぇ。」
「じゃあ、何処の学校?」
「教えねぇ。」
「あら?
じゃあ、私が貴方との勝負に勝ったら教えてくれるかしら?」
「絶対に嫌だ。」
膝を抱えて否定しか言わない私に
彼女はずっと質問攻めだ。
「悪かったわよ。
さっき揶揄った事、謝るわ。」
しかし、とうとう彼女は根負けしたとばかりの両手をあげて言う
「私の名前は、夏目レイコ、
名前は言ったからこれでおあいこでしょ?」
「夏目…」
「そうよ、夏目が苗字、
それでレイコが名前。
貴方が最初に言ったものだから
てっきり知ってると思ったのだけれど。」
彼女に視線を向けると
ん?と言って微笑んでくる。
その顔も、
「本当、夏目君そっくりじゃねぇか。」
「だから、その夏目君って誰の事?」
「いや、まぁ…夏目貴志って男の子が
私の知り合いにいるんだけど、その子が、」
「その子って貴方のお友達?」
「お、友達?
ま、まぁ…そうなのか、な?
よくわからない。」
質問の意図がわからないが、一応は答える。
誠意を持ってではないが
自分の名前を彼女は言ったのだ、
それ相応の敬意ははらおう。
「わかんない?
じゃあ、貴方…友達はいるの?」
「え?な、なんだよ…急に。
まぁ、多くはないけど…数人は?」
多軌と田沼を数入れれば数人程度にはなる、
ゼロではない、と思いたい。
「ふぅーん、」
「いや、自分から
聞いといてその反応はないだろ。」
「妖が見える事はその人達は知ってるの?」
「は?」
彼女は突然ハッとしたような表情をすると、
今度はニコッと笑う。
「あ、A、ごめんなさい。
私変な事言ったわよね、私。
なんでもないのよ、忘れて?」
その笑みがまるで貼り付けたかのような笑みで私自身、心がモヤモヤして気持ちが悪かった。
「いや、妖は見えるけど?私も。
それで彼らも知ってるはずだけど。」
「見えるの?」
「え?見えてないと思って、
人間なのとか言う発言私にしてたの?君。」
それだと、完全にやばい人じゃないか。
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おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので!これからも頑張ります! (2020年11月7日 6時) (レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます!初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)
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