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過保護もほどほどに 中編 ページ31

「じゃあな、的場。
もうお世話いらないから。

後、今日の学校
迎えに来なくていい。
というか絶対に来んじゃねぇぞ!」

ビシッと指をさして
私は的場に再度釘をさす。

「母上?」
ちょうど良い所に起きて来たれいじ君。
私と的場のこの不毛なやり取りを
不思議そうに見ていた。

「よし、れいじ君。
お母さんと一緒に行こうか。」

「えっ、お母さん…?

母上…でも。」

戸惑うれいじ君の手を私が握って、
歩き出そうとするとそれを的場が止めた。

「Aさん、
まだ話は終わってませんよ。」

「私は終わったんだが?」

「言っておきますが
私としては容認できません。」

「それは、お前が決める事じゃねぇ!」
立ち塞がる彼を両手で押し除けようとするが
しかし流石は成人男性私の力では到底無理だった。

「Aさん、私の話を、」

パシッと手を掴んで来た的場。

彼自身相当私に対して頭にきているのだろう、
キリキリと腕を掴む力が強まった。

しかし、こちらも頭に来ているのだ。

「おい、離せよ。」

「離しません、」

力じゃ彼に敵わない、
ぎりっと歯軋りをして
私が歯を食いしばったその瞬間、

(手伝ってやろうか?)
私の中に存在していた何かがそう語りかけてきた

「っ、」

そして次の瞬間、辺りに響いた軋むような音。

朝からまるで真夜中のような暗闇に景色が変わると同時に部屋中から現れた無数の赤い目玉に、全て目の前にいる的場を睨んでいた。

「へぇ、面白い。
この私とやるおつもりですか?」

的場を辺りを見渡すとそう呟き、
私を最後に見て目を細める。

「母上っ!!駄目ですっ!!」

「っ、」
れいじ君の声が聞こえた瞬間、
私は冷水を全身の浴びたかのように冷静になる。

気づくとぼろぼろと涙を流して、
お同じように赤い目をしたれいじ君が私を見ていた。

「他にもない母上じゃないですか…
僕に誰かを呪ってはいけないと言ったのは…」

そう言ってただただ泣きじゃくる彼に
私は呆然としながらその場に立っていた。

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おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので!これからも頑張ります! (2020年11月7日 6時) (レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます!初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年11月5日 22時

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