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過保護もほどほどに 前編 ページ30

「Aさん。
今日の手の様子はどうですか?」

「あぁ…今日、迎えに行きますので
校門前で待っていてくださいね。」

「今日は…そういえば
地域ボランティアに参加するんでしたよね?

あまり帰り遅くならないように。
後、あそこの山は妖が少し多めなので、
気をつけてくださいね。」

あの夜の件からどうしてか、
的場は私の事をよく気にするようになった。

「…。」
今朝、スッと襖を開くと、
案の定そこには的場。

「Aさん、今日は、」

彼がいつものように私に
何か言おうと話しかけて来た。

「だー!!うっせぇっ!!」
しかし、今日の私は
いつもの彼の言葉を途中で遮る。

心配してくれているというのは内心悪い心地はしないし、こう言うのは辛辣なのかもしれないが…
私はもう子供じゃない
色々と気にされる言われはないのだ。

私はバッと立ち彼に詰め寄る。
「言っておくが、
私はお前の子供じゃねぇからな!」

彼のお世話に今もずっとなっていると言う事でさえも嫌で、
毎月私とれいじ君の家賃、食事代、光熱費諸々払っていると言うのに。

「後、お前、前の件も許していないからな!」

「はて、前の件…」

「忘れたとは言わせないぞ!
お前が私の仕事、取った件だわ!」

毎日のように何をするか聞かれ、
前なんて祓い屋としての仕事をしに行くから一泊して行くと言ったら、
そんな危険な事しなくて良いと、
私に来た案件を勝手に掻っ攫っていきやがったのだ。

「あぁ、あれですか。
取ったのではないですよ。

代わりに引き受けただけです…
報酬なら全額貴方に渡すと、」

「私は自分で働いたからこそ、
労働金として報酬を貰うんだ!
そんな金、受け取らん!!」

「面倒な方ですね。」

そう言って彼はため息を吐く。

「もうそろそろ我慢の限界来た、これ!」

終わりのない言い合いに
キーっと頭に血が上った私は、
そこら辺に散らばる荷物をそそくさと集め始める。

「…?何をしているので?」

「見ればわかるだろ!
帰るんだよ、あの家に!」

「はぁ。それはまた急にどうして。」
わかっていないような的場の顔。

「色々と面倒くさいんだよ!
お前、それに一向に私に妖にもならないようにする術、教えてくれねぇし!」

「それは感情のコントロールと、
あれほど。」

「じゃあ、それを此処で
やる特別な必要性を私は感じない!」

的場はしかし…と言って承諾しようとしない。
というかぶっちゃけ的場からの承諾って必要なのか?

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おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので!これからも頑張ります! (2020年11月7日 6時) (レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます!初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年11月5日 22時

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