人にはわからない 前編 ページ24
「中級ッ！！」
夏目君の声がするが目隠しをされて
何が起きているのかわからない私。
誰かに腕を掴まれたかと思うと、
その存在にグイッと引き寄せられる。
「えっ、え？」
「卑しき妖共が、
彼女に一体何の用でしょうか？」
透き通った、だが力強いその声。
的場だ。
「こんな目隠しまでさせて…どういうつもりでしょう…」
そう言いながら的場に目隠しを外されて、
私はやっと周りの状況を視覚する。
大きな犬のような妖が的場を睨んでいるが、
彼も彼で怯むことなく寧ろ
手に持つ弓矢を今にも放ちそうな勢いだ。
なんかとてもやばそうな雰囲気だ…
「彼女に何をしていたのかと
私は聞いているのですが？」
凄い剣幕で怒っている。
「ま、的場…一門。」
紫の髪色をした女性、
きっとヒノエだろう、彼女が目を見開く。
そんな彼女を的場は一瞥すると、
夏目君に目を向ける。
「あぁ、でも夏目君、
まさか君がいるとまでは思ってもいませんでしたが…
また性懲りも無く、
妖と連んでいるんでしょうか？
やめた方がいいと助言したと言うのに。」
「貴方に指図される言われわない！」
「まぁ、それもそうですが…」
的場はそう言いながら
チラッと私の紫になってしまっていた手首を見る。
縄で縛られた痕だ。
「Aさんにここまでして、
夏目君、君もきっと妖に毒されたと見受ける…
少し、妖から距離を置いた方が君の身のためになるでしょう。」
「や、やめッ」
キリキリと張り詰めるその弦、
的場がついにその矢を放とうと手を離したその瞬間、
「ッッ、」
私は咄嗟に槍を素手で掴む。
ベリベリッと私の掌の皮が捲れる。
「Aさん…貴方、何して…」
手に掴む矢に血が滲み、
その木の部分に染みていった。
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おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます！全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので！これからも頑張ります！ (2020年11月7日 6時) (
レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます！初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)
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