腕のあざ 中編 ページ22
「ずっと白狐様のおかげでうちは繁栄していたって事を繰り返しうるさく言われてただけだけど?
でも、その神様なんて、
存在してすら居るのかわからないし…」
「火がないところに煙が立たぬと言うだろう、奴は確実に存在がある。
ただ、わざと色々捻じ曲げられて
伝えられてると言う訳だな。」
「そう言う事だろうね、マダラ。
いんや、少しわかってきたよ…
山神様の事が。」
煙草のような匂いを感じて私は顔を歪める。
「御宿家は確かに山神様を封印したのさ。
しかし、山神様がそれによって
怨霊になる事を恐れてか、
それとももうすでになっていて
目を背けたかったのか…
わざと、真っ黒な姿を、
白い狐…と全くの反対の姿として
縁者に告げる事で直接家が祟られることを避けたり…
守り神として祀ったりと
随分と手を焼いていたって所だろうね。」
「そんな事が。」
「へぇ、そうなんだ。すげぇ…」
私と夏目君が二人揃って
彼女の推理に感嘆の声を上げる。
「あのねぇ、夏目は兎も角、
仮にもあんたは御宿だろう?
その反応はないんじゃないかい?」
「あぁ、私は勘当されたんで、
もうあの家とはなんも関係ないですよ。」
そう言った次の瞬間、
彼女に肩を掴まれて激しく揺さぶられる。
「御宿家が、勘当?!
なんだいそんな面白そうな話!
あんた祓い屋としては
相当の霊力があるだろうに!」
「し、知りませんよ…そんな事。
あのぉ、そろそろ帰らせてもらえないですか?」
的場との約束の時間もとっくに過ぎている。
怒るかなぁ…あいつ。
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おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので!これからも頑張ります! (2020年11月7日 6時) (レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます!初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)
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