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茶屋の約束 前編 ページ18

「えぇと…此処が待ち合わせ場所、だよな…」

授業終わりにすぐさま学校を出ると
私は的場との待ち合わせらしい場所の
ベンチに腰を下ろす。

「茶屋か…ふふっ、」

少し頬が緩み、笑みが溢れた。

美味しいお茶に連れて行ってあげる、
とそう奴は言った。

あの的場が美味しいと言うんだ。
それだけで、期待はぐんと高まる。

「れいじ君と七瀬さんに、
お土産買いたいなぁ…」

今日は事情を知る七瀬さんが
れいじ君を見てくれるとそう言ってくれたのだが、私としてはそれは悪いと思い、
今朝、断るつもりでいたのだ。

だが、会長と楽しんできてください、
と言いながらにこやかな笑顔で
追い返されてしまった。

その事を的場に零すと
彼曰く、彼女は昔からとても優秀で
仕事人気質らしいのだが子供や孫がいないと。
だから、れいじ君と言う存在を孫のようにでも感じているのではないか、と言っていた。

たしかに彼女は本当の自身の孫のように
れいじ君を可愛がってくれる。

そして、れいじ君自身も最初から
彼女にはどうしてか懐いていた。

きっと、未来でのことが
関係しているのだろうな…

そんな事を思いながら、
私は少し苦い顔をする。

未だにあの夜の私の言葉が
忘れられないのだ。

「はぁ…」
項垂れて私はため息を吐く。

本人に聞かれていなくても、
言ってしまったという事実は残るのだから…

私は、ダメな母親だ…

さっきまでの気分は
一体何処に行ってしまったのか、
と思うほどに急降下する感情。

この時、
自分の事に精一杯だった私は
気付けていなかったのだ。

何者かが私の後ろに忍寄っていた事に…

「ッ!?」

次の瞬間、
ガツンと言う音と共に視界がグラリと揺れ、
直後、私の意識は途切れた。

茶屋の約束 中編→←彼のやさしさ 後編



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おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので!これからも頑張ります! (2020年11月7日 6時) (レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます!初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年11月5日 22時

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