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夏目の記憶 前編 ページ1

夏目視点(過去編)

あの時は久々に電車に乗って、
どこかに出かけようと思った。

だけど、それに先生も
ついてくると言って聞かなくて…

何かしらご飯を食べようと思ったが、
流石にペット可な飲食店は見つからない。
当然と言ったら、当然なのだが…

「先生が食べれる所だなんて、
本当にあるのか?見つかる気がしない…

なんかちょっと、
重くなったぞ、先生…
頼むから、自分で歩いてくれ。」

自分の肩にずっと乗っかり、
歩こうとしない自堕落な用心棒。

降りてくれないかな…

「夏目!私が重くなったのではない!
お前が前よりも貧弱のなったのだ!

そんなもやしみたいな体をしておるから、
私の事も重く感じるのだ。」

「先生がねだって、
つまみ食いし過ぎるからだろ!
塔子さんが気にしてたんだぞ!」

「ねだっているのではない!
塔子が勝手に私に献上するのだ!」

「塔子、さん!さんをつけろ!」

ギャーギャー騒いでいると、
僕達はカフェに目が行く。

「夏目、夏目!!あそこのカフェがいい!」

「え、えぇ…」

少しお洒落な感じのカフェに俺は戸惑う。

「あそこが良い!あそこが良いぃ!!」

しかし、そう言って駄々をこねる先生。
こうなったらもう、どうしようもない。

「はぁ…わかったから、
少し静かにしてくれ。」

耳元で騒がれるとたまらない。

テラス席があるなら丁度いい、
猫ではなく妖だが…
普通の人からしたら猫に見える。
ニャンコ先生もきっと行けるだろう。

「夏目ぇ!
紅茶とコーヒーのいい匂いがするぞぉお!
ふんふん!」

自分の願いが聞き入れられたのが相当嬉しいのか、先陣を切ってポテポテと歩く先生。

まぁ、人もそこまで居なさそうだし…

しかし、念には念をと、
俺はあまり人目につかないような席を探す。

木の影に隠れたような、
そんな席を見つけて俺は向かったが、

「あ。」
「…。」

どうやら先客がいたようだ。

バチリと目があって、
少し気まずい雰囲気が流れる。

その子は、まだ幼い雰囲気がある男の子だ。

「あ…あの…どうぞ、
僕は構いませんので。」

彼の見た目にしては随分と丁寧な口調で、
俺にそう話しかけて来た。

「え。あぁ、すいません…」

まるで大人と話しているような感覚を感じる。

流石にいいです、と断る訳もいかず、
俺は椅子を引いてそこに座った。

夏目の記憶 中編→



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おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので!これからも頑張ります! (2020年11月7日 6時) (レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます!初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年11月5日 22時

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