寝てる間の話 中編 ページ13
いや、こいつ見た目だけは色男だからな。
目にすごく毒だ。
きっと今の私と場所代わりたい女性が
五万といるんだろう…
「随分と懐かしく感じますね。
こんな風に誰かと寝たのは
私が幼い頃以来なので。」
「え?
いやいや的場、下手な嘘つくなよ。
絶対、これ初めてなんかじゃないし、
普通に何食わぬ顔で女と寝てるだろ…お前。」
「Aさん、貴方には
私がどんな風に見えているんです?」
彼は呆れたような顔をする。
「私はあくまでも、的場一門筆頭ですよ?
立場上、そんな事出来るとお思いですか?」
「えー、でも案外顔は良い方だし、
言いよる女の人の一人や二人確実にいただろ」
「…。」
無言で黙るという事は、いわば肯定だ。
「お、いたんだな?お前、いたんだろ?」
「どうしたんですか?
どこかおかしなテンションですよ、
今日のAさん。」
的場と比べて私はどうしてか
異性に言い寄られた事すらもない。
どうしてだ?
なんだ顔か?性格が悪いのか?
それとも妖が見えることなのか?
「どうして、こいつはモテて、
私はうんともすんとも言わないんだよ…」
「…。風邪でも引いてるんですか?」
そう彼ははぐらかすと
私の方に腕を伸ばして、
手のひらをピタリと私の額に当てる。
「熱は…ないですね…」
的場のひんやりとした手のひら。
「っ、、」
私の動揺に気づいた的場。
「あぁ、もしかして
緊張でもしてます?大丈夫ですよ。
私は何もするつもりもありませんし。」
少し目を細めて、薄らと笑う。
「そういえば、確かあの時も、
こうして此処を撫でてあげましたね。」
彼はそう言うと
まるで撫でるかのように手を動かし始める。
「お、前っ。」
ふざけんじゃねぇ!!
「〜ツッ」
一級品の顔だけしやがって、
中身はドブを煮込んだような奴のくせにぃ!!
今すぐ叩き払ってやりたい所だが、
れいじ君がぐっすり眠りについている手前、
暴れる事も出来ない。
歯をギリギリ言わせながら、
いかにも不機嫌ですよアピールをする。
「おや、これじゃあ足りませんか?」
しかし、どうやら逆効果だったようだ。
揶揄うかっているのだろうか?
更に時間を追加された。
マジでありえねぇ…
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おぼろん(プロフ) - 豆腐の角さん» コメントありがとうございます!全然気にしないでくださいね。皆さんに見てもらえるだけでも嬉しいので!これからも頑張ります! (2020年11月7日 6時) (レス) id: a49c31890f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - 二章目おめでとうございます!初めの一票取れませんでした………。これからも頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年11月6日 22時) (レス) id: d448052499 (このIDを非表示/違反報告)
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