Spring day【JK】 (ページ44)

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グク『あー！もうっ...！』

グクにグイッと手を引かれて、グクの逞しい胸にすっぽり、とハマってしまう。

グク『...なんで、Aはそんなに俺の心を掻き乱すのが得意なの。』

「...そんなつもりはないんだけど」

グク『無意識が1番怖いよ。

...俺さ、A以外誰とも付き合ったことないの。

Aが初めて。

だから、どうやったら男らしくリードできるんだろうとかめちゃくちゃ考えちゃうわけ。

Aにちょっとでもかっこよく思われたくて。

だから、Aに恋人っぽいこととか下手くそで、ちゃんとしてあげられないかも、だけど。

それでもいい？』

ウサギのような、まんまるな目で見つめるグク。

...私、グクのこと何にも知らなかったんだな。

私の知ってるチョン・ジョングクは

学年の人気者で、且つ今1番韓国で人気のスーパーアイドル。

どこをとっても完璧で、何でもできる黄金マンネだと思ってた。

だけど、彼も私たちと変わらない大人と子供の間を行き来する純粋な10代の学生なわけで。

そう思うと何だかホッとした。

グクにも悩む事とか、嫉妬する事とか、あるんだ。

「グク」

グク『何？』

「わたしはグクが思ってるよりもグクのことが好きみたい。

完璧なチョン・ジョングクだけじゃなくて、悩んだり、嫉妬したりするグクも大好きだなあ、って思うの。

これってちょっと変？かな？」

グク『...あー！もうなんでAは俺のことそんなに掻き乱すの得意なの』

コツン、とくっつく私とグクのおでこ。

お互いわかんない事だらけだけど、たまにこうやってすれ違うこともあるだろうけど。

それでも、グクとなら...

嗚呼、私なんかがこんなに幸せでいいんだろうか。

こんな時間がずっと、続けばいいのに。

...そう願った私の想いはあっけなく壊されてしまうことになるなんて、この頃は知らなかった。

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