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ある日、車椅子で自室を出て、病院内をウロウロと散歩していた。
あの白い部屋に閉じ込められていると、どんどん視界が黒く塗りつぶされていく。
そんな恐怖から少しでも抜け出したかった。
春の風が頬かすめて心地いい。
病院の庭をクルクルと車椅子の車輪を回して、散歩する。
そこで、初めてグクと出会った。
彼の存在は知っていた。
同じ高校の芸術科で、同級生。
当時は小さな事務所であったけれでも、華々しくデビューを飾った学年の人気者。
うちの学科の価値観は正直ピンキリだ。
学業と仕事の両立をしている生徒がほとんどで、仕事に忙しくて学校に来ない生徒もいれば、忙しさを装いサボって学校に来ない生徒もいる。
一方で、仕事が忙しくても毎日授業に参加し大学を目指す生徒もいれば、仕事がなくて勉強をせざるを得なくなった生徒もいる。
嬉しい未来も、悲しい未来も交差する、まだまだこれからという思春期には残額な世界線だと思う。
けれど、そんな学科の中でも、彼はいつも輝いていた。
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my(プロフ) - 面白いですね！更新楽しみに待ってまーす (2021年2月22日 18時) (
レス) id: 0eb22ee4f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年2月20日 23時
