私のキョウダイ (ページ10)

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同じ家に住んでいるからと言って

同じ学校に通っているからと言って

同じ教室で授業を受けているからと言って

一緒に登校するわけもなく。

教室に入ると私の席は他の女子に陣取られていて

先に登校していた廉の周りには多くのファンが

所狭しと集まっていた。

邪魔にならない程度にリュックだけは机の脇にかけて

窓際から一人その様子を眺めていた。

＂廉くんってどの辺に住んでるの？＂

＂コンビニの近く＂

＂コンビニたくさんあるから分かんないよ＂

＂あはは。あ、海人おはよ＂

＂おはよ～＂

眠そうに教室に入ってきた海人に挨拶すると

周りの女子にはそっちのけで話し始めた。

「な、体育って今何してん」

「サッカー。廉はサッカー得意？」

「ほんまに！？俺サッカー大好きやねん！」

「まじか！強力なメンバーじゃん！イェーイ！」

謎にハイタッチを求める海人に若干戸惑いながらも

手を合わせる廉が見ていて面白い。

「女子は？何してんの？」

「これですよこれ～」

海人は両手でラケットを持つフリをしながら

ジェスチャーで競技を伝えようとしている。

「 …ゴルフ？」

「違うわ！ほら、これだよこれ！」

もう一度ジェスチャーでラケットを振る動きを

見せると、廉は「ああ！」と手を叩き

「テニス！」

「当たり！」

周りにいた女子達は手を叩いて笑っている。

その場に混ざりたいなあと思いながらも

自分には傍観者が丁度いいのかもしれない、と

今も私の席に座っている女子を見て思った。

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