私のキョウダイ (ページ24)

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海人との蟠りが解けて帰宅すると

私の部屋の前で先に帰宅していた廉が待っていた。

二人きりになるのは喧嘩した日以来だった。

「どいて」

「ちょっと来て」

手をグッと掴んで廉の部屋に連行される。

内側の扉の前で向かい合うから後退りができない。

「ねえ何？」

「明日デートしに行かん？」

「 …デート？」

「嫌なこと言うてしまったお詫び」

「普通に謝ってくれればそれで済むのに」

「ほんまにごめん。一緒に海行こうや」

「軽いな～。楽しませてくれるんだったら」

「ええよ。明日の朝出発な」

言いながら突然左手の人差し指で首元をなぞるから

「え、何？」と反射的に身体を守る体勢になると

「マーク見えてんで」と口角を上げた。

「オトン達にバレへんようにな」

「れ、廉にバレたらみんなにもバレちゃうかも」

「海人もわざとやろな～、こんな堂々と」

再び首元を触ろうとする廉に「やめて」と抗えば

小さく謝り、扉を開けて部屋を出るよう促された。

閉まる扉に「ばか」と言っても

小さく笑われるだけだった。

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