私のキョウダイ (ページ5)

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授業前、担任が廉を連れて教室に入ると

一気に騒ぎ始めるクラスメイト。

「俺が見たのはあの人だよ、やっぱり転校生だ」

周りと比例して小さな声で囁いた海人は

大きな瞳で廉を捉えている。

「はい、静かに。

今日からクラスメイトになった永瀬廉くんだ。

みんな仲良くしてやってくれ。じゃあ、自己紹介」

担任に話を振られても廉は落ち着いた様子で

教室を見渡し、一瞬私と目を合わせても

知らないフリして教室の後ろのほうを見つめ、

「 …関西から引っ越してきました、永瀬廉です。

分からんことばっかなんで色々と教えてください。

宜しくお願いします」

最後に軽く一礼するとすぐ担任をジッと見つめた。

「えー、というわけで永瀬の席は…そうだな、

伊藤の後ろが空いてるからそこでいいな」

担任は私達がキョウダイであることを知っている。

タイミングよく行なった席替えで私の後ろを空席に

した理由はきっとこれだったんだと思いながら

席を立って小さく手招きをした。

海人の横を通って私の後ろの席に着くと

軽く咳払いをしてから荷物の準備をし始める廉に

ちょっとした緊張感を持って授業を受けることになった。

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