私のキョウダイ (ページ31)

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気まずい雰囲気の中受ける授業は居心地が悪く、

あからさまに廉を避けて私に話しかける海人も

海人に避けられても表情ひとつ変えない廉も

いつもとは全然違って授業内容は入ってこなかった。

放課後

体調が心配だからって私の家まで送ってくれた海人。

学校から家までの距離を歩幅を合わせて歩いてくれて

この感じも久しぶりだなと幸せを噛み締めていた。

いつもより少し時間がかかって家に辿り着く。

玄関前で立ち去ろうとした海人は足を止めて

くるりと向きを変えて私の名を呼んだ。

「こんなとこで言うのも申し訳ないんだけど

俺に隠してることない？」

真っ直ぐ見つめるその瞳は確かに疑っていた。

「隠してること？」

「てか俺が思ってること言ってもいい？」

「うん」

「 Aと廉って付き合ってんの？」

「 …え？」

私と廉が同じ家に住む家族と言われると思ったら

彼の口から出てきたのは全然違った言葉。

「昨日ここに来たら廉が出たんだよ。

シンプルに何で？って言っちゃったんだよね。

別に、しか言わないからAに渡してって言って

そのまま帰ったんだけどさ、どうなの？」

今朝の笑顔は無理に作っていたものだった。

この気持ちを押し殺して私を心配してくれていた。

「俺のこと嫌いになっちゃった？」

「違うよ、海人のことは大好きだよ」

「だったらどうして廉を家にあげるの？

あいつ普通に出てきたよ。自分の家みたいに」

合っている。海人の推理は合っている。

「それにAが廉と一緒に駅にいるところ

後輩が見たって言ってるんだ。

最寄駅なら分かるけどここからだいぶ離れた駅。

夕方だったって言ってたから一日いたんだよね？」

後輩は海人に話していた。

気付かないフリしていたのは海人のほうだった。

「休日に遊ぶのも風邪引いた時に看病するのも

全部俺の役割だよ。なのにどうして廉なの？

俺が後輩といたから？喧嘩みたいになってたから？

でも俺ら仲直りしたよね？好きなんて思ってないって

俺言ったよね？なんで信じてくれないの？」

後半になるにつれて徐々に涙声になっていく海人は

深呼吸をした後に

「俺ら一旦距離置こう」

鋭い眼光で私を見てその場を離れて行った。

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