私のキョウダイ (ページ18)

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廉が転校してきてから一週間が経過した。

経過観察とでも言うのだろうか、

放課後担任に呼び出された廉の背中を横目に

出しそびれたワークの丸付けを必死にしていると

まだ帰っていなかった海人がどこかから教室に

戻ってきて、私に駆け寄り隣に座る。

「 Aにしては珍しいね」

「金曜日に持って帰るの忘れちゃって」

「手伝おうか？」

自分のペンケースの中から赤ペンを探し出して

右手に持つ海人に「大丈夫」とやんわり断った。

「もう少しで終わるから」

「そっか。じゃあ終わったら一緒に帰ろう」

「うん。もうちょっと待っててね」

残り数問というところで机の上のスマホが光る。

そこには廉の文字が表示されていた。

確認すると職員室に来てほしいと書いてある。

「ごめん海人」

「何が～？」

「これ出すのに時間かかるかもしれないから

今日は一緒に帰れないや。ごめんね」

「え？そうなの？残念」

意味不明な断りを気にすることなく了承して

「じゃあ気をつけて帰るんだよ」

と優しく頭を撫でてくれた。

心の中で＂嘘をついてごめん＂と思いながら

「ありがとう」と微笑んだ。

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