私のキョウダイ (ページ16)

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外に出ると少し肌寒くて上に一枚羽織ればよかったと

ほんの少しだけ後悔しながらも

夜の住宅街を男子と二人で歩く世界に足取りは軽い。

「申し訳ないんだけどさ」

「んー？」

「コンタクトしてないから何も見えないんだよね」

「俺見えるから大丈夫やで。

どんくらいでハッキリ見えるん？」

定位置に立つ街灯の下に来たタイミングで

「このくらい」と言った顔の位置は

「 …近すぎ」

廉が思わず照れ笑いを浮かべるくらいの近距離で

改めて自分の視力の悪さに頭を抱えた。

「ほんまに言うてんの？」

「そうだよ」

「コンタクト様様やな」

「廉は裸眼？」

「今まで一回もコンタクト入れたことない」

「やば！」

裸眼で生活できる人が羨ましいと思っていると

あっという間に眩しい光を放つコンビニに着いた。

真っ白な蛍光灯に目を細めながらも店内に入って

奢ってくれる約束だった期間限定のスイーツが並ぶ

棚の前に立ち、どれにしようか悩んでいると

近くのアイスコーナーにいた廉が私に向かって

「選び終わったんやけど～」と声をかける。

なるべくアイスが溶けないように

その場で待つ彼が何だか申し訳なくなったので

パッと目に入ったスイーツを持って廉の元へ。

彼が店員に渡したアイスは二人で分けて食べる

あの有名なアイスだった。

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