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4.魔女と迷子 ページ5



暖かな日差しが窓から差し込む。

その眩しさが瞼越しに伝わった時点で意識は覚醒してけれど。
夢見心地の中、ベッドの上でぼーっと意味もなく時間を消費する。


日課、というより癖であるそれ。
どれくらい時間が経ったということも気にせず、私は起床する。






「……なに、このニオイ」


自室の扉を開けると鼻腔に広がるニオイ。
決して臭くない。むしろ良い匂い。でも……



「はっ。まさか!!」


そこで昨日のことを思い出す。


ドタバタと廊下を走って、ニオイのもとであるリビングへと。





「ガキ、なにをしているの!!?」


癪に障る微妙に開いたリビングの扉の隙間に手を入れて全開にする。
それはもう、バンッと。強く、激しく。


「どんだけ寝てんの、オバサン」


そこにはテーブルの上に食事を並べて。

まるで自分の家のように馴染んでいるガキがいた。



「っ〜〜〜!うるさいわね!?昨日は夜中まで起きてたの!!!ていうか、勝手に使ってんじゃないわよ!!」

「は?オバサンが勝手にしろって言ったんじゃん」


………言ったような気もする。


「そもそも!!そのオバサンってやめてくれないかしら!?」

「じゃあそっちもガキって言うのやめろよ」

「ガキにガキと言ってなにが悪くて?」

「ガキじゃないし。てかオバサンにオバサンって言ってなにが悪いの?」

「っオバサンじゃないし!!?」



既に何度かやったやり取り。

そして何度目かの疲れと呆れが勝って声が止まる。



「朝から散々だわ…」

「だから昼だっつってんじゃん」

「っ細かいことはいいのだわ!!」

「つーかその喋り方ヘンだよ」

「あぁもうっ、オマエは黙ることを覚えなさいな!!!」



こんなガキ、拾わなければよかった。



それは私が数年ぶりに抱いた後悔だった。


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- 完結おめでとうございます〜!わよ、とかのよ、とかそう言う口調苦手でしたけどこの夢主ちゃんはなんか可愛くて好きでした!後日談とか五条先生視点で見てみたいと思ったりもしました!素晴らしい作品を書いてくださりありがとうございます! (2020年12月6日 13時) (レス) id: ba5583f0b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:自宅警備員先生 | 作成日時:2020年11月27日 18時

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