【SERVAMP】バイオレンス系女子ってやつです。 【愛され】

27. ページ28

たったこの数十分間で、悪い思い出しかないこの男。

ヨハネス・ミーミル・ファウストゥス。

記憶力はいい方だから、名前はきちんと覚えている。
勿論、やろうとしていた事もきっちり。


ｷﾞｭｳｳｯ…とリヒトのパーカーの袖を掴んで、｢…｣と恨みを込めた目で見つめる。

その態度に、リヒトもAを庇うように前に立つ。



｢…何か御用ですか。｣

ヨ｢酷いなぁその反応。まるで僕が君にナニかした見たいじゃないか。｣

｢しでかしかけたのは誰でしたっけ…？｣

ヨ｢あはは、その節は悪かったね。｣

国｢で、何の用？ここぞとばかりに出てきて。｣

ヨ｢いやぁ…宝石ちゃんが覚悟を決めてくれたから。そのお手伝いに。｣

｢…何がですか。｣

ヨ｢強くなりたい…そう思っただろ？そのお手伝いに来たんだ。｣

｢……それで？｣

ヨ｢僕なら君を、強く出来る。鍛えることが出来る。｣



その言葉に、少し心が動く。

御国と仲がいいということは、言うほど悪い人ではないことくらいはわかる。


だが、｢A、やめた方がいいっスよ…何されるかわかんないし。｣とロウレスからは止められた。

確かに、今のAの怯え具合を見て推奨する人などいないだろう。


でも、多分この人は嘘をつかない。

きっとAを強くしてくれる。


それだけは、なんとなく確信できた。









｢……分かりました。ヨハネスさん、お願いします。｣


ヨ｢…そうこなくっちゃ。｣





.

28.→←26.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す